表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いっこの差  作者: 夢呂
【第一章 】
4/283

衝撃

「え、それ、まじかよっ」

「言えないでしょ、さすがに」

翌朝、ハルくんに会うのが気まずくて早めに家を出たら、前を甚と菜奈が歩いていた。


二人に近づこうと歩いていくと、


「春先輩とかすみ先輩、内緒で付き合ってたなんて、茗子(めいこ)が知ったら…」


菜奈の声に立ち止まった。



嘘。






好きな人…じゃなくて、

付き合ってたなんて……。





二人は私に気づかずそのまま歩いていった。



いつから?

どっちから告白したの?



突然のことに、涙も出ない。



じゃあ、私との噂が流れてても…

最初から私は………。



分かってたけど。


分かってたけど。





―――気づいたら、教室の前にいた。


「めいこ、おはよー」

私に気づいた菜奈がいつもの笑顔であいさつしてくる。

「おはよー」

いつもの笑顔でこたえたはずなのに、

声が小さくなってた。



「めいこ、今日の小テスト、勉強やった?私ヤバイんだー」

明るく振る舞ってるのがバレバレだよ、菜奈。



私のこと、想ってー―ー。





私は、大丈夫。


私は、大丈夫。


考えたらダメ。


ハルくんのことはー―ー。



結局、気づいたら一日が終わっていた。





放課後、

菜奈と帰ろうとしていると、

甚と男友達が私たちに声をかけてきた。



「初めまして、俺、隣のクラスの仲西です。」

「俺と同じクラスの仲西 (こう)茗子(めいこ)に話があるんだってさ」


「初めまして…」


「甚、私たちお邪魔なんじゃ?」

菜奈が甚に言うと、

「いや、大丈夫。居てくれて。」

仲西くんは、にこっと笑顔で続けた。


「告白…しようと思ってたんだけど、こないだ。」


なんのことか分からず、立ち尽くしていると、

甚が私に耳打ちしてくる。

「こないだ渡したろ、手紙。」


あ………。


見ずに捨てていたことを思い出し、

血の気がひく…。


面と向かって、怒られるんだろうか…。

とビクビクしていると、

仲西くんは、穏やかに言った。


「でも、突然知らないやつに告られても怖いよね。俺ももっと茗子ちゃんのこと知りたいし。ってことで、友達になって!!」


と、友達………?


「甚みたいにさ、俺も仲良くなりたいなーと思って。とりあえずさ、今日は四人でカラオケでも行かない?」


「いや、でも、茗子は今……」

菜奈の言葉を遮ってた。

「良いよ、行こ、カラオケ!」


「「えっ?」」

菜奈と甚が同時に驚いた。




今は一人でいたくない。

考えたくないから。



結局その日は四人でカラオケに行った。


みんなが何を歌ってたのか、記憶には無いけどー―ー。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ