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いっこの差  作者: 夢呂
【第一章 】
36/283

志望校

「文化祭シーズンも終わったし、あとは受験に専念かー-」

放課後、私の家で勉強をしていた菜奈が、手を止めて言う。


「そうだね…」

「やっぱ、元気ない。茗子、こないだの西高文化祭から」

「そ、んなことないよ。」

「あの時――――高校生にナンパされてた時、本当ごめんね、うちらがすぐ気付かなかったから」


「もう、良いって。何回も謝りすぎだよ」

笑いながら菜奈を小突く。

「でも、その後からだよね?仲西くんと何かあったの?」

――――菜奈と甚が、

私とはぐれたことに気づいて探しに来てくれたのは、ハルくんがすでに立ち去った後で、

不機嫌な航くんと落ち込む私に何かあったのだと気にしていた。


「ごめん、茗子が話してくれるまで、聞かないでおこうと思ったんだけど…やっぱ元気ないと気になるし…」


「悩んでて、志望校ー-」

咄嗟にそんな言葉が出る。

でも、志望校を決められないでいたのは本当だった。



「あぁ、そういうことか!茗子も西高じゃないの?春先輩いるし。」

「―――南高に、しようかなって」

「えっっ!」

菜奈が目を見開く。

「なんで?」


「ハルくんがいるからって…高校(しんろ)決めるのはどうなんだろうって」

――――どうせ、同じクラスにはなれないし。


「私は、甚と一緒がいいから、西高受験するよ。」


すでにスポーツ推薦で、

甚と航くんは西高を合格していた。


「そりゃあ、私の学力じゃ、大変だけどさ…」

菜奈は自虐気味に笑って言う。

「でも、やるだけ、やってみるよ」


――――菜奈が羨ましいな。


でも、やっぱり私はー-ー。






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