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いっこの差  作者: 夢呂
【第一章 】
34/283

西高へ行こう

西高の文化祭の朝、

ふと目を覚ますと、時計を見る。


――――10時か。

昨晩はソワソワして、なかなか寝付けなかったからな。

ベッドから出ると、カレンダーを見る。

今日の日付に書いたハートマーク。


13時に菜奈と甚、

それと航くんとバス停で待ち合わせだから、

まだ時間はあるなー。


ボーッとしながら、

階段を降りてリビングに向かうと、

お父さんの姿があった。


「おはよう」

お母さんも一緒にテレビを見ていたが、

私に気づいて挨拶する。


「お父さん、珍しいね」

あまりに驚いて、おはようを言いそびれる。



「今日は休みなんだ。先週の文化祭、見に行けなくてごめんな。広子に聞いたよ、シンデレラだったんだってな…」

お母さん、話したんだ。

「ここ最近あったことも色々聞いていたよ…。変な奴に襲われそうになったんだって?」

「あぁ…」

あれから菜奈と甚と帰ったりして、

一人で帰ることもなかったし、

もうすっかり忘れていた。


「これ、持っていなさい」

渡されたのは、白い携帯電話だった。

「早いかなーと思って、悩んだんだけど、やっぱり心配だからって、お父さんが」

隣からお母さんが言う。


「何かあれば、連絡してきなさい」

お父さんのことばに、私は頷いた。

―――お父さん、ありがとう。





そして、13時までに間に合うように支度をして、

私は家を出る。


珍しくメイクもして、

髪も巻いてみた。


これで、高校生に、見えるかな?

ハルくんと対等に、見えるかな?


「あ、菜奈…」

「え、茗子!?どしたの?すごい今日大人っぽいー」

バス停に行くと、菜奈と甚がいた。


「気合、入ってるなー」

甚がからかう。


「うるさいなー」

私が恥ずかしくて人をどつくと、

ちょうどバスが来た。


「甚、まだ仲西くん来てないよ」

菜奈がバスに乗ろうとする甚に慌てて言う。

「あ、あいつ、現地集合だって」

「そっか」

それじゃあと、私たちはバスに乗り込んだ。




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