表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
164/283

二人の現状~航目線~

「わざわざ呼び出された理由は分かるわよね?航クン?」

かすみに放課後呼び出された俺はドキドキしながら、後をついていく。


「なんだよ…」

ぶっきらぼうに言うと、

「ちょっと、なんで分かってないわけ?」

かすみが呆れたように言う。


「春と茗子ちゃんのことに決まってるでしょ?」

「は?」

――――なんだよそれ…。

「まさかあんた、私に告白でもされるとでも思ったわけ?」

冷ややかな目でかすみが言う。

「そっ、そんなこと思ってねーし。つか、されても困るし」

なぜか動揺してしまう。


「しないわよ、バカね。私には、彼氏がいるの。知ってるでしょ、サッカー部なんだから。」

当然のようにピシャリと言われる。



「春と茗子ちゃん、最近うまくいってないでしょ?航、茗子ちゃんのこと何か知らない?」

「知らねーし。てか、かすみには関係ねーだろ」

俺が素っ気なく言うと、かすみが珍しく声を荒げた。

「関係なくない!二人が上手くいってないと困るの。」



――――なんだ結局、

春先輩(あいつ)に未練たっぷりなのかよ。


まぁ…ヒトのこと言えねーか…。




「冬休み明けからじゃね?様子がおかしいの。」

俺が言うと、

「やっぱり…そうよね…」

かすみが頷く。


「かすみ、あんまり深入りしない方が…」

俺が忠告しようとすると、

「深入りなんて、してない。友達として心配してるだけ」

――――へぇ…友達ね…。

友達なら直接聞けばいいのに。

俺なんか呼び出さなくても。


「あ、やばい。部活急がないと。行くよ、航!」

かすみが走り出す。


――――かすみには、振り回されっぱなしだな…。




それにしても、

本当にどうしたんだろう、茗子ちゃん…。


きっと俺には…話してくれないだろうな。


友達として、まだ信頼されてないし。


――――されるわけないか、

俺が友達として見てないんだから…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ