休日の過ごし方【後半】
ハルくんの家を出ると、
遠くでゴロゴロと雷の音が聞こえた。
「茗子、昔から雷ダメだもんな」
ハルくんが言う。
「だって小さいとき、バリバリバリッて近くに落ちたことあるんだもん」
私は言いながら、家の鍵を開けて中に入る。
バタンと玄関のドアが閉まると、
急に二人きりなことを意識して、ドキドキが止まらなくなる。
ーーーー昼間だって、うちで二人でDVD観て過ごしてたのに…なんでだろ。
「茗子、大丈夫?」
ハルくんが私を心配そうに見る。
「大丈夫、大丈夫」
私は言いながら、家の鍵を閉める。
「先にお風呂に入ってきたら?ーー停電とかしたら、大変だし」
ーーー停電…それは怖い。
「ありがとう、じゃあ私、先にお風呂に行ってくるね。ハルくんはテレビでも見ててね」
着替えを持って、バスルームに向かう。
「ハルくん、お風呂…」
私がお風呂から出て、リビングに向かうと
ハルくんがソファで眠っていた。
ーーーーえ、寝てる…。
とりあえず、起こさないようにそっとブランケットをかける。
テレビも消して、隣にそっと座る。
ーーーー色々、疲れてるんだろうな…。
中間試験もあったし、生徒会長としても忙しそうだし、バスケ部ももうすぐ大会だし。
それでも私を優先してくれてる…。
私はハルくんの寝顔を見つめながら、
「ありがとう…」と呟いた。
ゴロゴロ…と雷の音がして、
気が付くと、ハルくんに掛けたはずのブランケットを私が掛けていた。
「あ…私ーーー」
つい、うたた寝してた…?
隣で寝ていたはずのハルくんがいない。
「ハルくん?」
不安になり、名前を呼ぶと、
「茗子?どした?」
ハルくんがバスタオルを片手に、上半身裸でリビングに飛び込んできた。
ーーーうわ…お風呂入ってたんだ…。
「ご、ごめん…なんでもない。ハルくん居なかったから…不安になっただけで…」
真っ赤になって、ハルくんを直視できずにうろたえながら言うと、
「茗子、動揺しすぎ」
ハルくんが笑って抱き締めた。
ハルくんの胸の鼓動が聞こえてくる。
「茗子、もう遅いし、寝よっか」
「うん…」
私の部屋に行くと、ベッドの下に布団が用意されていた。
ーーーお母さん??いつの間に…。
「俺はここで寝ろってことかな」
ハルくんが布団を見て苦笑いで言う。
「いや、私が布団で寝るから、ハルくんベッド使っーーー」
私がそう言おうとした時、雷の光がピカッと目に入った。
私は慌てて目を閉じてその場に座り込んだ。
ーーー1、2、3、…………。
心の中で10秒カウントする。
昔から、カウントして、10秒以内に雷が落ちなければ、ホッとする。
でも今日は5秒で落ちたーーー。
「きゃあぁ…」
怖がって震えてる私をハルくんがそっと抱き締めた。
「やっぱり、今日一緒にベッドで寝よ」
ハルくんが言った。
「え…」
「怖いんでしょ?俺がずっと隣に居るから大丈夫」
「うん…」
「変な事、しないから大丈夫」
ハルくんが言いながら、ベッドに横になる。
「おいで」
私はハルくんに抱きついた。
すると、
ハルくんの手が私のパジャマの中に滑り込み、ブラのホックが外される…。
「……ハルくん…?」
ーーー何もしないんじゃなかったの?
私がドキドキして言うと、
ハルくんが色っぽい声色で私の耳元に囁く。
「…これは変な事?」
「………ぁっ」
甘い声が漏れる。
「愛し合うのは、変な事じゃないよ、ね…?」
そう言いながら、
私の唇に優しくキスした。
ーーーーハルくん、ずるい…不意打ちだよ…。
「茗子、触れて欲しい?」
意地悪な顔でハルくんが聞く。
「……うん」
恥ずかしさに顔をそらしながら、私が言うと、
キスしながら、
ハルくんの指が、私の身体に優しく触れる。
「もっと舌出して…?」
熱のこもった声でハルくんに言われる。
私は必死に応えようとする。
「はぁ…っ……ん」
ーーーーー気付けば、雷の光より音より、
ハルくんに与えられる快楽に、私は夢中になっていた。