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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
149/283

お留守番

「三泊四日で…北海道?」

「うん、うちのクラスはね」


帰りながら、ハルくんが来週の12~15日の修学旅行の話をし出した。


「北海道かぁ…良いなぁ」

ーーー私もハルくんと一緒に行きたいよ…。


「お土産、買ってくるよ」

ハルくんは、

私が北海道に行くことを羨ましいと思ったのか、

私に笑顔で言った。


ーーーー三泊四日…。

ハルくんと四日も会えないんだ。

高校入ってから、始めてかも…。



「長いね…」

思わず口に出していた。

「茗子、寂しいの?」

ハルくんが意地悪な顔で私を見る。

「さ、寂しい…かも」


私がうつ向いて言うと、

「かも、ってなんだよ」

ハルくんが笑う。


「行く前の日は、一緒に過ごそうな」

ハルくんが繋いでいた手をギュッと握る。


「…う、うん」

なんとなく、恥ずかしくて私はうつ向いたまま答える。





「おかえり、茗子」

家に帰ると、お母さんが顔を出した。

「ただいま………どうしたの?」

お母さんが忙しそうにバタバタと動き回っている。


「実はお父さんがね、仕事でアメリカに出張になっちゃって。」

「アメリカっ!!?」

お母さんの話に、驚いて叫んでしまう。


「しかも、二ヶ月も…。帰ってくるの、年末らしいのよ」

「そんな…急だね」

私が言うと、

お母さんが深刻そうな顔をして言った。

「それで…茗子さえ良かったら、お母さんも少しアメリカについていこうかと思って」


「え、だってお母さん仕事は?」

「一週間だけ、お休み貰えたの。家庭の事情でって」


「私は大丈夫だけど…」

「そう?じゃあ明後日の、11日から16日までの一週間、お留守番よろしくね」

お母さんはホッとした顔をして、またスーツケースに荷物を入れ始めた。


ーーーー明後日…。

本当、急だな…

お母さん達も、居ないのか…。


急な話に、私はまだ実感が湧かなかった。



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