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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
147/283

生徒会選挙

生徒会長選挙が始まり、

あちこちに、立候補者の写真つきポスターが貼り出された。


生徒会長は、ハルくんと現在の生徒会副会長の鈴木先輩。

生徒会副会長には、

私と菜奈のクラスの鮫島(さめじま)さん、

そして甚のクラスの花井 蘭子(らんこ)さん。


どうやら花井さんは、

花井莉子先輩の妹で、莉子先輩は前生徒会長だったらしい。





「勝てるわけないよ…」

花井さんのポスターを見ながら溜め息をつく。


ーーー甚によると、

花井さんは、美人で明るくて、クラスのカリスマ的存在。


ーーーまさに、人の前に立つべき人だ。



私は…ただハルくんと離れたくないという理由で立候補を決めた、人の前に立つべき人じゃない人間。





演説の日も、緊張して何をしゃべったのかいまいち覚えていない。

ただ、壇上から見た花井さんは、輝いていて…。

敵わないと、思った。






翌朝、結果が貼り出された。

私はそれを、朝練が終わってハルくんと歩いて教室に向かう途中で知った。


「ーーーハルくん、生徒会長就任おめでとう」

「……茗子は…残念だったな」

ハルくんが残念そうに言う。


「ううん…分かってたし」

ーーーー花井さんが、私とかなりの差をつけて当選した。

こうなるって、分かってた…。



「二年の女子は花井さんに票入れるって騒いでたらしいからな…茗子への嫌がらせだろうけど」


「ううん。的確な判断だよ。私は向いてないし」

ーーー自分で言って、落ち込む。


「でも、書記には指名するから」

ハルくんが私の頭に手を乗せると、微笑んで言った。


「…うん」


傍から見たら、私はただ、

ハルくんの彼女だから書記に選ばれたって…

陰口言われるんだろうな…。



でも…それでも…

そばを離れたくないと思ってしまう…。


ワガママかな…私はーーーー。



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