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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
144/283

聞けない話

「あれ、茗子ちゃん。」

ハルくんのクラスに向かうと、寛人さんに声をかけられる。


振り向くと、

女装姿の寛人さんが立っていて目を見開く。


「あ、驚いた?」

笑いながら寛人さんが、言う。


「ちょっと…ごつくて怖いですね」

苦笑いで言うと、

「俺もそう思う」

寛人さんも笑って言う。


「ところで、ハルくん…いないですか?」

「あれ?もしかして約束してたの?」


「…はい」

「春ならさっき、莉子先輩に連れてかれたけど?」

「……誰ですか?」

「あ、茗子ちゃんは居なかったから知らないのか。花井莉子。去年の三年で、ミス西高に選ばれた人だよ。春とはその時に知り合ったみたいだけど。」

「え、ミス西高…って」


ーーーーてことは、その人って…。

ハルくんと去年、キスしたって人?



私の目の前が真っ暗になる。



「お、春!茗子ちゃん待たせんなよな」

寛人さんの声で、

顔をあげるとハルくんが走ってくるのが見えた。


「ごめん、茗子。待った?」

ハルくんが息を切らせて言う。

「ううん…私が予定より遅くなったせいだし…。」

私は笑顔を作って答える。


「茗子?」

顔を見られないように、強引に腕を引いて、歩き出す。

「行こ、早くしないとハルくん、また仕事に戻るんだよね?」



ーーーー女の先輩と…どこで…何を話してたの?

どうして何も言ってくれないの?



「ハルくんの女装姿、見たかったなー」

「絶対やだ」

ハルくんがハッキリと言う。

「いつやるのか教えてよー」

「やだ」

ーーーー私は必死に空元気でごまかす。



教えてよ…………。



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