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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
138/283

ハルくんの思惑

「ハルくん、ミスター西高…出るの?」

その日の夜、一度家に帰ってから、

ハルくんの家に行き、思いきって尋ねる。


「あぁ…うん。担当者に頼まれてね…実行委員だし断りきれなくて」

ハルくんは、お茶を私の前に置きながら答える。


「だって選ばれたらキスするんだよね?」

ーーー『平気なの!?』という一言はのみ込んで…私はハルくんに尋ねる。


「茗子も出るの?」

ハルくんが隣に座って、聞く。

「……出ないよ…」

ーーー出るわけないじゃん。


「出てよ」

「やだ」

「大丈夫、茗子が選ばれたら問題ないでしょ?」


「ハルくん、何にも分かってない」


ーーーーそういう問題じゃないよ…。

そういうリスクがあって、なんで引き受けたりしたの?


「…茗子が嫌がるのは分かってた」

「………」

じゃあ…なんで?


「ーーー俺が誰かとキスするのが嫌なんだよね?」

「嫌…だよ」

ーーーーそうだよ、当たり前じゃん。


「俺も、茗子が誰かとキスするの、堪らなく嫌だよ」

ハルくんがまっすぐに私を見つめて言う。


「俺の気持ち、分かってくれた?」

「………」

それって、この間のこと……?



「ごめん、ちょっと茗子に意地悪したくなって。明日には断るよ」

「ハルくん…」

「大丈夫、心配しないで?」

ハルくんが微笑んで言う。


ーーー私に、ハルくんの気持ち分からせたかった…だけ?


途端にホッとして、気が抜ける。



「茗子が嫉妬してくれて、良かった」

「え?」

「何も突っ込まれなかったらどうしようかと思った」

ハルくんが笑って言うと、私の頬に手を添えて優しいキスをした。





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