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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
137/283

文化祭準備

文化祭の準備期間に入り、

慌ただしい毎日が始まった。


部活もウィンター大会に向けて、練習がハードになる。



「茗子のクラス、お化け屋敷だっけ?」

部活の帰り道、ハルくんが言った。

「うん」

「茗子、オバケやるの?」

「まさか…。私は、航くんと当日の客呼び係。看板持って。」

「あいつと?」

「そう…クラスの皆がね、私と航くんは、

客呼びに一番適してるって…」


「あぁ、なるほどね…」

私の言葉に、ハルくんが嫌そうな顔で、納得した。


「ハルくんは?クラス、何やるの?」

私が話を変えようとすると、

「………言いたくない」

「え?」

ハルくんがそっぽを向いたまま、ポツリと言う。


「…女装…カフェ」



ーーーーハルくん、が…女装…!!?


「行ってもいい?」

私が目を輝かせて言うと、


「ダメ、絶対。」

ふて腐れたようにハルくんが言った。


ーーーー絶対行こう…!

私はひそかに心の中で、誓った。





「お願いします、相田さん」

ミス西高コンテストというイベント担当者の三年の先輩に、なぜか頭を下げられる。


「出場してください、一年代表の一人として」

「え…いや私は…」

「澤野春くんは、ミスター西高コンテスト、二年代表としてすでにエントリーしてくれてますよ」

「え…」

私が驚いていると、

その先輩は、さらに驚くことを口にした。

「ちなみに、ミスターとミスに選ばれた二人は、皆の前でキスできます」


「なんですか、それ…」


「あれ、知らなかったんですか?我が校の伝統ですよ。去年は嫌がる澤野くんに、ミスに選ばれた先輩がキスして、すごい盛り上がってましたよ?」

私の表情(かお)が固まるのを意地悪な笑みを浮かべながら言う。


ーーー泣きそうになった。

去年は、ハルくんに“妹扱い”されたのがショックで…それどころじゃなくて…。

何にも覚えてない…。


知らなかった…ハルくん…私の知らない人とキスしてたんだ…。

付き合う前の話だから、私に何も言う権利ない。


だってあの時のハルくんは、

私のこと、“妹”だと思ってたんだからーーー。





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