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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
136/283

文化祭とハルくん

文化祭も来月に迫って、

クラスの出し物を決めることになった。


ーーー去年、来たのを思い出すなぁ…。


クラス委員の彩と航くんが仕切っていき、

あっさりと「お化け屋敷」が第一候補にあがる。



ーーーーお化け屋敷って…。

ホラーとか、私苦手なんだけど…。

でも、文化祭かぁ…楽しみだな。




ハルくんは、生徒会長に言われ、

文化祭実行副委員長として、部活と両立している。




ーーー私が比嘉先輩とキスをしたと正直に告げた日、

ハルくんは私の目を見てくれなかった。


覚悟してたけど、やっぱり避けられた。


ーーーでも、翌日からは何もなかったようにいつものハルくんに戻っていた。


私はその理由を聞くのが怖くて…、

結局それ以来、

「あのキス」については触れないようにして。



ーーーー比嘉先輩も、学校で会っても、

私にちょっかいをかけることもなくなった。



ハルくんは変わらず優しくて、

幸せなはずなのに、

少し寂しい。







「あれ?茗子ちゃん、今日春と一緒じゃねーの?」

「おはようございます、寛人さん」

私は部室に行く手前で、寛人先輩に会った。

「今日は、朝練の前に文化祭実行委員の仕事があるみたいで…」


「へぇー、あいつも大変だよな」

寛人さんが笑う。


「本当は、バスケ専念したいだろうに、文化祭も任されて…」

「そうですね…」

ーーーー私が生徒会長になるように仕向けたから…だよね?

もう脅されてないし、

今なら生徒会長に立候補する理由もないのに…。



「まぁ、来年の生徒会長候補だしな」


「春くんは…嫌がってますよね」


「いや、そうでもないと思うよ。」

「え?」

「確かに最初は断ってたけど…、茗子ちゃんとの時間大事にしたいからって」

「…え……」

「茗子ちゃんが言ったんでしょ?“中学ではどっちもやってたよね?”って。それで、やってみようと思ったらしい」


「え…」


「あいつ、元々断れない性格だろ?責任感強いし…ずっと気にしてたみたいで。“茗子ちゃんが生徒会副委員長に立候補するから”引き受けたって言ってたよ?」

「………」

私が一緒に立候補するから?


「本当、茗子ちゃんのこと、好きだよなー。

かすみと付き合ってたときはあんなんじゃなかったのに、茗子ちゃんのことかなり依存して、のめり込んでて…」


かすみ先輩と付き合ってたこと、

寛人さんも知ってたんだ…。



どんな風に付き合ってたとかも…。



黙りこんでいる私に気づいて、寛人さんが慌てる。

「あ、ごめん俺、余計なことまで…」


「いえ…」

私はぎこちなく微笑んで、部活の準備にとりかかった。





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