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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
133/283

生徒会長の依頼

新学期が始まり、

慌ただしく毎日を送っていた。


クラス委員も、

推薦により、クラスの人気者の、

彩と航くんに代わり、肩の荷がおりる。


そんなある日、

三年生の先輩に生徒会室呼び出される。


ーーー現在の生徒会長の柏木來香(かしわぎらいか)さんだ。


「ごめんなさいね、相田さん」

生徒会長の椅子にかけながら、柏木会長が言う。

「実は、あなたにお願いがあって…。澤野くんのことなんだけどーーー」

「え?」

ーーーーハルくんのことで、なぜ私が?


「説得して欲しいの、次期生徒会長に立候補してほしいって」

「生徒会長?ですか?」

ーーーーハルくんが?生徒会長…?


「澤野くんは、入学してからずっと学年トップの成績なの。それに、人望も厚いわ。」

ーーーーすごい…ずっと学年トップなんだ…。

知らなかった…。


「…彼こそ、相応しいと思うのよ。生徒会長に。ーーーー今の副会長の鈴木くんには悪いんだけど…彼はそうなるべき器じゃないの…務まらないわ…」




「私には…できません」

ーーーハルくんは、バスケの時間が大切で…。

ハルくんが望んでないことを、無理矢理させるなんて…私には出来ない。



「そう、残念だわ…」

生徒会長は、特に感情を込めずに言った。


「失礼します」

私か生徒会室を出ようとしたとき、

「あ、そうだ相田さん?」

生徒会長が思い出したように声をかける。


私が振り向くと、

彼女は携帯電話の画面を私に見えるように掲げて言った。


「これ、浮気かしら?」


「!!!」

私は青ざめてそれを見る。



ーーーこの間の花火大会の時の…。



比嘉先輩が私にキスしてる写メだった。

「どこでそれ…一体誰が…」



「これ、澤野くんが見たら、どう思うかしら?」

生徒会長が口元に笑みを浮かべて言う。


「脅すんですか…生徒会長のくせに」

私が悔し紛れに言うと、


「あら、脅すだなんて人聞き悪いわね。ーーー自分がこれを弱味だと思うから“脅す”だなんて発想になるんじゃない?」

椅子から立ち上がって、私に言いながら近付いてくる。


「ーーーー削除してください」

目の前に来た生徒会長に言うと、

「そうね、澤野春が生徒会長になったら…削除しましょ」

愉しそうに笑って、柏木会長が言った。


「………」

ひどい…なんて人なの…。

この人、比嘉先輩とグルなの?

同類ってことなの?



「来月までに、立候補するように伝えてね」

私の顔を覗きこみながら、柏木会長が微笑む。



ーーーーハルくん…。




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