表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
125/283

決意新たに

合宿から帰ってきて、

ハルくんから距離を置きたいと言われてしまった。


泣いても泣いても…。


現実は何も変わらない。

お腹も空くし、

時間が来れば部活にも行かなければいけない。


ただ、隣にハルくんがいないというだけで。





7月も終わりに差し掛かり、

いよいよ、来週末からインターハイが始まる。


「お前…春となんかあったのか?」

一緒に部活の片付けをしていると、嘉津先輩が手を動かしながら言う。


「ちょっと…」


「合宿の後から、話したりしてないだろ?」

「…はい」


「別れたのか?」

「……そうかもしれないです」


嘉津先輩の質問に答えているだけで悲しさで胸がつまる。


(あいつ)も絶不調だ。あいつが元に戻ってもらわないと、インターハイは一戦で負ける…」

「そんな…」


「お前がいることで、絶対勝てるって言いきったくせにな…誤算だったな。」

「え?」


「春が言ったんだ、“茗子(おまえ)が居れば負けない”ってな」

ーーーーハルくん…。


やっぱり…ハルくんが好きだよ…。

別れたくなんて、ない。

仲直りしたいよ…。




部活の帰り、

一人でトボトボ帰り道を歩いていると、

ふと、美容院の前で足をとめる。

「………」


そして、私は…美容院の中に足を踏み入れた。

「いらっしゃいませ」

「予約とか…してないんですけど…」

「大丈夫ですよー」

美容院のスタッフさんが、優しく応対してくれる。


「肩につかないぐらい、短くしてください」


「え…せっかくこんな長いのに…?良いんですか?」

「はい」

私は鏡越しにスタッフさんを見て、きっぱりと言った。



ーーーー過去の私はここでおしまい。


私は…また、片想(ここ)いから始める。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ