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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
112/283

結果

中間試験が終わり、

学年上位100人が廊下に貼り出された。



私は…二番だった。


「うわ…茗子すごい…学年二位って…」

彩が結果表を見ながら言う。


「てか、一位が仁科って…あいつ勉強出来ないとか言っておきながら…」


「見事に、騙されたわ…」

愛梨と彩が悔しそうに言う。


「あいつってさ…意外となんでもそつなくこなすよね…」

「仁科のくせにね…」



「仁科くん、頑張ったんだよ」

私が二人をなだめるように言うと、

「相田さん…」

振り向くと、仁科くんが立っていた。


「おめでとう、仁科くん、すごいね」

私が言うと、

「いやいや、相田さんだって…」

仁科くんが照れたようにうつ向く。


「行こ、茗子」

愛梨が私の手を引いて、クラスに戻る。


「愛梨?」

なんか、怒ってる?









その日の帰り、

いつものようにハルくんと家に帰る。

「茗子、学年二位って頑張ったなー」

「な…」

なんでハルくんが知ってるの?


「さっき…一年が騒いでたから」

ハルくんが苦笑いで私に言う。


「風邪…引いてたのに、良くできたな…」

私の頭をポンと撫でる。

ーーーこの手が好き。心地良い。



「ハルくんは?」

私が照れ隠しに聞くと、

「俺…茗子とそんな変わらないよ」

曖昧に笑って誤魔化す。


ーーー聞かない方が良いのかな?


「あ、それより、茗子今日の差し入れ、美味しかったよありがとな」

「あ、うん、良かった」

今日の部活に差し入れした、はちみつレモン、

気に入ってもらえたようでホッとする。


「でも、なんで差し入れ?」

「ーーー来週地区大会決勝でしょ?…私も何かしたくなって…」

「それは、マネージャーとして?俺の、彼女として?」

ハルくんが顔を覗き込んでくる。

「ま、マネージャーとして、だよ…」

「ふーん…」

ハルくんが拗ねたような返事をする。


「…インターハイ、行けると良いね!!」

元気付けようと、ハルくんに言うと、


「行けるよ、茗子が居れば、西高(うち)は。」

ハルくんが私に断言した。


ーーーーそうやって、断言出来るところ…。

本当にカッコいいな…。


思わず口元が緩む。



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