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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
111/283

見守る~航目線~

「あ…」

茗子ちゃんの家から出たところで、

春先輩と出くわす。


「仲西…なんでお前が茗子の家から出てくるんだ…」

春先輩が睨み付けながら低いトーンで問いかけてくる。


「………風邪引いて、ふらついてたから部屋まで送っただけだろ…」

目を見ずに答える。


-ーーーー本当は嘘だ。

ちゃっかり、眠りについた茗子ちゃんの額にキスしたくせに。



「そっか、ありがとな」

俺の言葉を信じたのか、春先輩がお礼を言うと、

そのまま茗子ちゃんの家に入っていった…。


ーーーーなんだよ…当然みたいに入ってくなよ…。




この間の茗子ちゃんの誕生日を思い出す。

ーーー部活の帰りに、学校の正門に車が停まっていた。

その車に、春先輩と茗子ちゃんが仲良く乗り込んで…。


あの二人の間には、入ることなんて敵わない。

思い知らされた。


茗子ちゃんを追えば追うほど、

彼女を苦しめていたこともわかっていなかった俺は…、避けられたとき、もしかしたら、“男”として見てもらえてるのかと期待して…。



『好きだよ、友達として』

その言葉の通りだったのに、もしかしたら、なんて期待して…。



本当は茗子ちゃんのこと、何も分かってなかった。



自分のこと、ばっかりで…。


『茗子は諦めろって言ったろ』

甚に聞かされるまで、その言葉の意味も考えずに。




ーーーーバカだな、ほんと。


でも…好きな人が同じクラスにいて、

仲良くしてたら…諦められるわけないだろ…。


だから、決めた。


俺は、勝手に好きでいる。

今までどおり、友達だと装って、側で見守ろう。


ーーー気持ちを彼女には、気付かれないようにして。




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