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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
109/283

もとの鞘に…

「今日…ハルくんのおうちに寄っても良い?」

部活の帰り、私は勇気を出して切り出す。


ーーーー今日こそ、ハルくんに伝えたい。


「…今日?良いけど」

ハルくんが困ったような顔をした。

ーーー迷惑だった?でも…どうしても伝えなくちゃ…。



夕御飯を食べ終えて、ハルくんの家に出掛ける。

「あれ?おばさんは?」

「今日母さんも仕事でまだ居ないよ」

「そう、なんだ…あ、咲ちゃんは?」

「部屋に居るけど…?咲に用なの?」

「あ、ううん、違うけど…」

ーーーー誰も居ないみたいに…静かで…

緊張してきたの…。



ハルくんの部屋に入ると、

緊張して、急にドキドキし出す。


「あのね、ハルくん…」

「…うん」

ハルくんが私と距離をあけて隣に座る。


「私…航くんが初めての男友達なんだ…」

「え?だって、甚がいるだろ…」

「甚は、男友達というよりは友達。」

「?」

「航くんに友達にはなれないって言われてショックで…航くんと仲良くしたくて…でもそれは友達として、好きだから」


「甚に言われて…気付いた。私、無理に航くんの気持ちに応えようとしてた…」


「ハルくん…私はハルくんが好きでーー」

私が言い終わる前に、ハルくんが私を抱き締めた。


「マジか…」

心底ホッとした声でハルくんが呟く。

「ハルくん…ごめんね…私のこと許してくれる?」

私がおそるおそる顔をあげると、

ハルくんが軽くキスをした。


「!?」

久し振りのキスに、私は赤面する。



「……良かった。俺、今日フラれるのかと思った」

私の頬を優しく包んで、ハルくんが言う。


「私がハルくんをフるなんて、絶対無いから。私がハルくんにフラれる時が終わりの時だよ…」

ーーー私にハルくんをフる理由は何もない。



「じゃあ大丈夫だな…俺も茗子を離す気全く無いから。」


ハルくんが、笑顔で言うと、またキスをした。


「……茗子、愛してる…」

ーーーー私は初めて言われたその言葉に、真っ赤になる。

ーーーー今までと違って、すごく胸が熱くてくすぐったい響き。


恥ずかしくて、私は言えなかった。

ーーーー愛してるって、好きとは違うの?


私はハルくんが大好きだよ…。


同じ、だよね…?


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