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いっこの差  作者: 夢呂
【第二章】
108/283

残念なイケメン~航目線~

「お前今日…茗子ちゃんに何言った?」

部室で着替えながら、俺は甚を問いつめた。


「何って…茗子が自分の気持ち分からなくなってたから、助けただけだけど?」

「助けた?どうやって?」

俺の質問攻めに、甚がため息をつく。


「ーー航、俺言ったはずだろ、茗子は諦めろって」

「無理」

俺はロッカーを思いきり閉めて、即答する。



「茗子が苦しむだけだ。あいつはお前のこと友達で居たいから必死なんだぞ…」

甚が呆れたように俺から目をそらす。


「え…なんだよそれ」

ーーーー友達でいたいから、必死?


「俺は異性とか関係なく友達だけど、お前は違う。中学からの男友達なんて、お前くらいしか居ないんだよ…。ちゃんと異性として認識した上で友達でいたいって、あいつが初めて思えた相手なんだ。だから失いたくなかった」


甚の言葉に、あの時のーーーー

『好きだよ、友達として』

茗子ちゃんが即答してくれた言葉がよみがえる。


「それをお前は残念なことにポジティブに考えて、がっつきすぎ…春先輩まで巻き込んで…」


「そんな…」

ガンと頭を殴られたような衝撃を受けた。

「相変わらず、残念なイケメンだな…」

よろよろと部室を出ようとした俺に、

甚がとどめの一言を浴びせる。


「甚、一発殴らせろ…」

「やだよ、ばか」

振り返って殴ろうとすると、

甚にすぐに腕を捕まれてもみ合いになった。



ーーーー俺の…勘違いだったのか。


それなのに、俺は…、春先輩にすげぇ強気な発言しちまった…。


恥ずかしすぎる…。


でも…茗子ちゃんが俺と友達でいたいと、

そんなに思ってくれてたなんて…。


ーーーそれだけで、すげぇ嬉しい。





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