表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/41

四ノ二.旅の目的

 わたしが「脱・引きこもり」をして旅立つことになった理由は、「リオナ」が掛けた呪いを解くための最後の条件に関連している。

 それは『神に対する罪の意識を消すこと』だ。


 前世の記憶がないわたしには罪の意識など存在するはずもないが、呪いが継続している以上は魂の奥深くに「聖女リオナ」の意識が潜在しているはずなのだとか。

 その潜在意識に「あなたは悪くないんだよ、神様は怒ってないんだよー」と訴えるためには、ウトゥヌ神に会うしかないらしい。


 いや神様に会うって無理でしょ! 大体ウトゥヌって地獄みたいな所にいるんじゃ?

 も、もしや既に死亡フラグ立っていたのか! ……と、おののくわたしにセイがサラリと答えた。

「それが年に一度だけ会えちゃう日があるんだよねー。ほら、ヴァーラの話にあったマルベラの降誕祭会場だよ。……と言っても、神の方が取り合わなきゃ姿を現さないだろうけど、そこはほら、仮にも元奥さんなわけだし?」

……って、そんな簡単なもの?


 けれど、この世界を旅することや祭り自体に対しては、かなりの興味があった。

 それに、周囲の目を気にせず外に出られるのは―――正直、嬉しいのだ。


 わたしは以前ファレスと共にヴァーラの塔を訪ねた際に味わった開放感を思い出していた。

 外に出ることがまったくイヤじゃなかったんだ―――あちらの世界ではひたすら下を向き、恐怖感に苛まれながら歩くことしか出来ないこのわたしが、だ。


 だから親には旅行と称し準備をした。修学旅行を控えた子供はきっとこんな気持ちなのだろうと、密かにワクワクしながら。



 が、いざ出発と思ったら「山道で馬車は使えないから馬で行く」と言われ呆然。

 しかも「里緒は僕と乗るんだ」とか「私の方が馬術は上です」だの「年長者からだ」など、わたしが誰と同乗するかで王子たちが揉めだした時はどうしようかと思った。

 結局、三日はかかる道程だからと、交代で乗せてもらうことでわたしも納得したんだけど……それがこんなに身体と身体が密着するものだとは知らなかったんだ!


 厚く硬い胸板からは生々しい体温を感じるし、頭上から「ハッ」だのという掛け声や吐息やらが降ってくるしで、今までの「二次元キャラの立体映像設定」が全くもって使えない!!

 おかげで周囲の景色を楽しむ余裕もなく、ひたすら心拍数や鼻血やらの心配ばかり。

 ちょっとでもわたしが声を出したり、身じろぎしたりすると、あのイイ声が「里緒?」と耳を掠めるわけで……。


 前まで「リオナって誰だ」と思ってたけど今更自分の名前を呼ばれるのは恥ずかしすぎてヤバい。

 思えば、今までそんな風にわたしの名を呼ぶのは父母と弟だけだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ