伝えたい
最後までお願いします!!
「ゆ~だぁい!!!」
「まりちゃん!!!」
遠い昔のこと、記憶の奥に眠っている出来事。
まだ会えていない。
まだ思い出せていない。
まだきずいていない。
あの日の大切な約束を
「僕ね!!!まりちゃんの事…
知らないふりをしている自分
いつか思い出すのに
また忘れようとする。
遠い夏の風がここでふこうとしている。
茉梨香(marika)
「ちょっと雄大!!!遅刻!!!何で起こしてくれなかったの!?」
「はぁ?起こしたのに起きなかったのお前だろぉが」
私は柚居 茉梨香(yuzui marika)
高1の女子!!!
今日から夏休み明けの新学期。
の、はずなのに朝から寝坊
「もぉ…。しょうがない!朝ご飯抜きで行こう!!!」
そう決断して急いで準備をする
「早くしろよ~」
急かしてくるのは
松葉 雄大(matuba yuusai)
保育園からの幼なじみで、イケメン。
モテるのに、なぜか付き合わない。
成績優秀で、運動神経抜群。
悪いとこなし…と、他人からは思われているが実際は性格が悪い悪い。
でも、何故かそれが私にだけって言う…。
絶対なんかおかしい!!!
そうこういってるうちに支度も終わり
「よしok♪」
「お前な、7:50だぞ?あと25分で始業式始まっちまうつーの!!!」
「あらま」
「あらまじゃねぇよ!走るぞ!!」
雄大とは同じ高校。
しかも同じクラス。
高校にはいってからは、遅刻する私を雄大がお越しに来て一緒に登校。
父、母は共働きで家に帰ってこないことが多い。
だから家では大半1人で、そんな私を心配して雄大はよく家にくる。
いつも「暇だから来てやった」って言うんだけどね
家が真ん前だからよく来るのも当たり前なんどけどね。
雄大には内緒だけど、私は雄大からそろそろ卒業しなきゃなって思ってる。
じゃないと回りの目線が怖いんだよね…
「おっしゃ!!ギリギリ!」
「セーフッ!」
そうやって昇降口についたのは8:00で、教室にいくまでは十分時間がある。
そこでゆっくり廊下を歩けば…
くるんだよね、新学期早々
「雄大君~」
「松葉君!!!」
「ゆーくん!!!」
雄大ファンクラブの皆さんが…
「ちょっと!!あんたら3人邪魔!雄大君と話すのは私!!!」
こういってるのはファンクラブ会長の…
あ!!横川 稔さん!!(yokokawa minori)
「「「すみません…」」」
「雄大君!!おはよう!」
あまりの騒々しさに雄大もびびってる
なんだその顔…
「ふっ」
「茉梨香、お前今笑った?」
「あ、いや…雄大!私先にいく!」
「あ、ちょ、茉梨香!!!」
ああ、怖い…
キレる前に逃げなきゃ私の命が危ない。
教室に入ると
「茉梨香ちゃん!!!おはよう!!!」
「ん?あ!!茉梨香ちゃん!!!」
男子の皆さん勢揃いでどうしたの…
「お、おはよ…
「まーりーかー?」
この声は…
「雄大…女子に捕まったんだと…」
後ろを振り向くと、ドアにもたれている雄大…
笑ってるけど目が笑ってらっしゃらないぃ~
ゆっくり後ずさる…
「何で逃げたのかな?茉梨香ちゃん?」
「う…。それは…その…」
「冷蔵庫のプリンは俺がもらおう!!!」
プリン…か。
そっか、よかった。
…じゃない!!!
「は!?なんでよりによって大好物のプリンとんの!?」
「逃げたお前が悪いな。」
「いや、だからって…」
「拒否権な~し」
「は!?ちょ、ゆーだいいいいいいい!!!」
席についた雄大を女子皆がおってく。
私も自分ん席に…つけない…。
なぜなら私の席に先約が…。
「み、稔ちゃん、席を…」
「ちょっと借りるね♪」
「あ、うん。わかったよ」笑
毎度の事…。
雄大の隣の席だもんね…私。
そんなとき
「茉梨香ちゃん!俺の席座っていーよ!」
声をかけてきたのは大介君(daisuke)
いつも席がとられると声をかけてくれる。
「ありがと~」
椅子を指差す大介君。
ちょこんと座る私。
「おはよ!」
来た~!!!
まってましたその一声!!!
相手から話しかけられない限り話し出せない私。
「おはよう!」
「今日も朝から大変だったみたいだね~」
「そうなんだよ、朝から寝坊して走って登校。それなのにさっきプリンが…」
「あいからわずだね」笑
「本当だよぉ~」
朝から疲れたっての…。
「並んで~集合~」
号令がかかり、全員ならびはじめた。
いつもこんなんで1日が始まる。
そうやってくうちに1日が終わって…あっという間に下校になる。
はずだったのに
「茉梨香さん、ちょっといい?」
何故か今日に限って雄大ファンクラブの皆さんにつかまってしまい…
「う…ん。」
「ついてきてくれる?」
私はこくりと頷きついていった。
変に緊張して冷や汗が出る。
つれてこられたのは校舎裏の誰も来ないような場所
そこにあるのはホースと水道だけ。
「茉梨香さん、私たち。気にくわないのあなたが。目障り」
「え…?」
私がそういった瞬間、
ばしゃんっ
「いっつも雄大君と一緒に登下校?学校でも一緒。邪魔邪魔邪魔!!!」
そういってきえていったファンクラブの皆さん。
「あーあ、制服びちょびちょだ。」
こんなんされたの今日がはじめてだよ。
ホースから勢い良く出る水なんか避けられないっての。
♪~♪~♪~
あ、雄大からだ。
「もしもし?お前今どこに居んの?」
「秘密だよ」笑
「は?」
「今日、先帰ってていいよ!!」
「お前なにいって
ツーツーツー
電話切っちゃったのは悪かったかな?
でも、心配かけるわけには行かないしなぁ
にしても…
これ…明日はないよね?
はは…。
怖い…
何でだろ…涙が止まんないよ?…
雄大…。
助けて…
「茉梨香!!!」
「え?」
「ゆ、うだい?」
急いで駆け寄ってきた雄大は、何故か私を抱き締めて…
「どうしたの?先に帰っててっていったのに…」
「あんなんでかえれるかっての。途中で電話切んなよな」
「う…ごめん」
「それより、どうした!?これ」
どうしよう、、、。
心配かけるわけにはいかないよ。
「間違えて蛇口捻っちゃってさ、水かかっちゃった」笑
「もう…嘘つかないでくれよ」
「なにいってんの?私、嘘なんか「じゃぁなんで泣いてんの?」
真剣な目してそんなこと言わないでよ…
ねぇ、雄大はきずいてるの?
あの時から…雄大がああ言ってくれたひから、ずっと…
雄大が、雄大のことが好きだったんだよ…。
そんなに優しくしないで、私なんかじゃダメってわかってるのに、また好きになっちゃうよ…
「雄大…」
「ん?」
「雄大のファンクラブの皆さんに、水かけられました。」
「まじか…」
「うん。」
「ごめんな」
「雄大は、悪くないよ?それとね、もう一個言わなきゃいけないことがあるの。」
「なんだ?」
これ以上、こんな恋したくないんだ。
もう、他の皆には取られたくないよ…
「雄大…」
「なに?」
「好き」
「え…」
「叶わなくても、言わないとっておもった。もう、だれにも雄大を渡したくない…」
「ばかじゃねぇの?」
思いもしない一言に思わずポカンと口を明けてしまった。
「それ、俺の台詞なんだけど?」
「え…?」
「今まで告白断ったの誰のせいだとおもってんの?」
「……」
「俺も茉梨香が好き。」
なんか…
夢みたい。
雄大が言ってくれた…
「夢…?」
「現実!!!」
「雄大…ありがとう」
「お、おう」
なぜか、こんなに嬉しいのに
頭はガンガンして意識がもうろうとして…
私の記憶はここで途絶えてしまった。
次話もよんでくれるとありがたいです