弟八話
さぁ…煮るなり焼くなり好きにして下さい!
不定期更新ですいません
弟八話…始まるよ
〜響子視点〜
昔お父さんに聞いた話。 お父さんは魔法使いでお母さんは剣士だった。二人共若い頃は、喧嘩ばかりしていたらしい。
でも二人は今バカップルを超える夫婦になっている、子供としては恥ずかしいけど…幸せそうだから良しとした。
お父さんがその話をしたのは、私が中学に上がる前のころ。
『響子…お前は俺と同じ魔法使いになる、そこで一つ良いことを教えてやろう。』
『…良い…こと…?』
『そうだ、とても良いことだ! 聞きたいか?』
『そこまで聞きたくない』
『ママー! 娘が反抗期だー!』
『あらあら、パパの話聞いてあげて?』
『お母さんが言うなら聞く…』
『本当か!? よしよし! 響子は護君のーーー』
『好き、大好き』
『ーーーことが…早くね!? 俺まだ喋りきってないよ!?』
『護がどうかしたの? あげないよ?』
『パパはいらないよ、ママがいるからな!』
お父さんが後ろからお母さんを抱きしめる、話が全く進まない。
『お父さん…良いことって何?』
『む! そうだったな、響子は…【運命の相手】がいたとしたら…どうする?』
運命の…相手、私の答えは決まっている。
『私は、護以外に興味が無い…』
『響子は一途だね、【運命の相手】は決まっていない、相手は自分で見極めるんだ』
『見極める…どうやって?』
『色々あるが…一番早いのは何かで護君とぶつかる事だな。そうするとな…心が……こう……うーん、ママ伝えづらいよ!』
『あらあら、響子の胸の奥が締め付けられるのよ。響子は護君を見つけたら、どんな気分になる?』
『…嬉しくなる、触りたくなる』
『ふふっ。それより強い思いを感じるわ、言葉では表せない思い…難しい?』
『なんとなく…分かった』
『おお! さすがママ、分かりやすい! まだ響子には早いかもしれないが…一応覚えといてくれるか?』
『……ん、覚えた』
『そうか、よしよし』
お父さんは私の頭を撫でる、この時の記憶が一番覚えてる。
【運命の相手】…運命なんて私には関係ない、ずっと護の隣にいる。それが私の決めたこと、だからこの闘いで見極める。
出しすぎた氷の矢は地面に刺さり砂埃を舞わせた……護の姿が見えない。
「ふふっ、やっぱり護は凄いわ」
砂埃の中から護が立ち上がる、どうやってあれを避けたのかしら…
〜護視点〜
正直、生きた心地がしない……よく生きてるな。
一応防いだが、このグローブも使える回数は後…1回ぐらいか。
このグローブは頭の中に描いたイメージを具現化させる装備、凄い装備らしいのだが、使用者に異常な体力を使わせる副作用。
いや正直、あんまり凄くない。結構体力が持ってかれる!
さっきのは俺の前に盾を出したわけだが…人一人分の物出すだけでちょっと息切れしてます。
「響子さん? 何をしているのでしょうか…」
「ちょっと護を舐めていたわ、本気でやる」
響子を中心に魔力が集まる、会場が慌ただしくなってきたな。
「私はこの闘いを早く終わらせたいのよ、見世物みたいでムカつくから…」
響子に集まる魔力が右腕に巻き付く。嫌な予感しかしないな…攻めた方がいいか、守りに入るか……。
「これで終わらせる、速度は雷と一緒よ。避けれないから守りに入った方がいいわね」
手の平を俺に向ける、腕に巻き付いていた魔力が手の平に集まる。
『すぐに障壁を張れ!!!一番強い障壁を草壁の後ろに張るんだ!!!生徒達をすぐに離れさせろ!!』
紫堂が叫びながら指示をする声、そこまで必死になる物を出すの?俺死ぬんじゃないの?
話してる間に響子の準備は…えー。
何かパリパリ言ってないか? 俺の髪の毛が凄い跳ねるんだが……
「三番目ぐらいに強い技よ、電磁砲。充電が長いのが欠点ね…護の準備は?」
「あんまり良くないが、いいぞ? 俺には耐えることしか出来ないみたいだからな」
覚悟を決め、腕をクロスして盾を張る。俺が出来るのはこれだけ、全体力を使う。
「先生も障壁を張ってください、被害が無いとは限らないので」
「分かりました、草壁君…頑張って下さい」
「何を頑張ればいいか分からないが、頑張る」
ただ無言で息を呑む、全身に力を入れ…覚悟完了
「電磁砲……発射」
響子の一言で魔力が放出される、最初に光、綺麗な眩しい光が視界を塞ぎ。その光は俺の体を包み込んだ。
盾が崩れていく、この盾が崩れたら俺の……負け……
まだ……何も……
『負けて当然な戦だ!
全力でやってみろ!』
…そうだな…俺はまだ…
何もしていない!!!!
俺は光に向かって歩く、ひたすら歩く。
拳を握りしめゆっくり歩く
一撃だ、俺の体も心も
この力で終わる
響子の姿が見えた時、俺は握った拳を突き出した。
そこから俺の視界は……
闇に落ちた
ーーーーーー
目を覚ましたら白い天井、ここは……
「医療室だよ?」
隣から声がする、俺は今布団の中にいるのか……声のした方を向くと、
「こんにちは、草壁 護君♪」
全裸の女の子がいた……
なんで……
「あ、動揺してるけどけっして怪しい者じゃないよ? ちゃんとここの生徒だからね☆」
…なんで……
「全裸なんだよ!!!」
「それは……ぽっ(照)」
「くっ…気になるが、とりあえずお前は誰だ!?」
「私? 私はこの学校の二年生で君の……彼女候補です☆」
……は? 彼女候補?
なにそれ…聞いてないし
まずは先に……
「服を着ろ! こんな状況が他の人に見られたら!?」
「どうなるのかしらね?」
…………遅かった。
声だけで分かる、どんな顔をしてるかも分かる。
知ってるか? 人は恐い物を見たくなってしまう事があるらしいぞ?
後ろを振り返ると、鬼を超える鬼がいました
「覚悟は……いいかしら?」
父さん、母さん、
俺は死んでしまうかもしれません。
響子「だらけルームは私が選挙したわ、文句があるならかかってきなさい!」
紫堂「馬鹿な!?い、いつの間に!」
菫「まぁーなんていうことでしょー(棒読み)」
護「………」
響子「怯えて手も出ないわけね……ふっふっふ、この子がどうなってもいいのかしら?」
紫堂「そ、それだけは……それだけはやめてくれ!」菫「まぁーなんていうことでしょー(棒読み)」
護「………」
響子「ふっふっふ…………飽きたわ」
紫堂「だな、面白くもなんともない」
菫「ですね」
護「まず説明しろ、次に成り行きだ」
響子「説明…ねぇ、台本があるわよ? 聞く?」
護「一応聞く」
響子「悪の魔王響子が勇者護を強脱、その強脱を協力するべく戦士紫堂は僧侶菫と立ち上がった! ここから盛り上がるらしいのだけど…」
護「いや、強奪だろ!? 強 脱←なにこれ!?
しかも協力しようと立ち上がるなよ!」
紫堂「最初は超楽しそうだった! でも台本読んでたら実際にやったほうがいいだろ…と思ってな」
護「…待て、その結論おかしい、しかも思うな!」
響子「大丈夫、苦しいのは最初だけよ、徐々によくなっていくから」
紫堂「さぁ…さぁ!(わきわき」
護「やめろ! 手をわきわきしながら来るな! う、うわぁぁぁああ!」
ちーーーん
菫「……あ、えーと次回は学園に入って生活スタートです、お楽しみに」