第七話
調子が良いときと悪いときってありますよね?
更新が遅い時は悪いときです
すいません、言い訳ですね…
では七話…お楽しみ下さい
お前ら闘技場って分かるか?
円のように作られた建物が丸く、観客に360度見られる作りになっているのが闘技場だ。魔法とやらで造ったのだろう……しかし何故この建物を選んだ……!完全に死ぬフラグが立ちすぎて、折れるぞ!…折れていいのか。
「幼なじみだから……手加減してあげる…」
手加減…ねぇ。
響子は両手を広げた、背中の何も無い空間から無数の氷の矢が次々と出てくる。
「響子……それは手加減とは違うぞ?全力の間違えじゃないか?」
話ながらも次々と出てくる、およそ1000本ぐらいありそうだな……まさか……
「(フルフル)」
響子が首を振った、俺の心を読んでくれたのか?
幼なじみにそんな大量の凶器は撃ってくるわけないよな!大丈夫だろ!
「まだ準備運動よ……この矢は……一斉に撃つ!」
ダイジョウブジャナイ、あいつの思考がわかんねぇぇぇぇ!
「話し合う気は…?」
「無い」
早いよ!もう少し考えてくれよ!そして……
「助けてくれぇぇぇぇ!」
俺の叫びは……届くだろうか……あいつが!あいつが余計な事を言うから!
〜少し前〜
俺は重い扉を開け入場した、校庭は想像と違い広かった。澄み渡る青空に柔らかい芝生、中々いい校庭だな。周りにはカラフルな陣がちらほら…なんで?
「周りの陣は防御代わりだ、何が起きるか分からないしな。っとそろそろ建物が変わるな」
陣の隙間から巨大な瓦礫が次々と降って来る、瓦礫は降って来た物から形を変え積み上がり始めた。
開いた口が塞がらない、突然の瓦礫変形に動揺してる、これはちょっとビビるなぁ……ボーっとしてたら出来てるし!つーか瓦礫に囲まれたぞ!
「一応説明するぞ?闘いは一対一のガチだ、武器は使用可能。時間は1時間だ、魔法のルールは……いらないか。質問は?」
1時間か、長いような短いような。武器はグローブしか無いからな…
「勝敗の判定は?相手が気絶とかだと無理だぞ…相手は女だし」
殴る蹴るしか出来ないからな…でも相手響子なんだよな。大丈夫か?
「その辺は考慮してあるさ、こちらにハンデが付く。お前は相手に一撃入れるだけでいい」
一撃か…意外と楽だな、不安だったがイケそうだ。
「ちなみに言っておくが、このハンデは初めてだ。最強は伊達じゃないな、今までは逃げ切れば良かった、魔法が二人共使える条件だがな。だが今回は魔法が無い、完全近接型故のハンデだ。」
なるほどね、あれーでも待てよ?俺も同じで良くないか?
「同じ条件なら俺イケると思うぞ、回避なら自信あるし」
「私が変えさせた、男なら一撃ぐらい入れるだろ!ってな」
何余計な事してんのー!理由は分からなくも無いがキツイだろ、最弱って言ったのお前だよな!最弱の俺にそんなの要求するなよ!
「ちなみに相手はお前の心を折れば勝ちだ、つまり圧倒的な違いを見せつけられる。」
「心って、精神的に来るのかよ…嫌だな。」
「やって見なくちゃ分からんだろ!負けて当然な戦だ!全力でやってみろ!」
紫堂に背中を叩かれて前に出る。男が決めた事だ、気張っていくか!
会場の中央まで歩く、そこには菫先生と…響子がいた。
「草壁君、お待ちしておりました。心の準備はいいですか?」
心配そうな目でこちらを伺う菫先生、先生の目が涙目になって……涙目!?
「先生!?落ち着いて下さい!泣かないで!」
「うぅ……ぐすっ…ごめんなさい、草壁君が……死んだ光景が目に浮かんで……うぅ……」
不吉な…とりあえず、落ち着かせるために背中をさする。
「ふぅ……すいません、お見苦しい所をお見せしました。切り替えます。篠崎さん、草壁君、勝敗の判定やルールに不満は?」
「「ありません」」
二人して傾く。響子は俺をずっと見ているのだが、何か顔に付いてるか?
「では両者後ろに三歩お下がり下さい、私が始めの合図を送ります。それで戦闘開始です。」
とりあえず三歩か…意外と近いな、何が来るか分からないからな、避ける準備だけしないと。
響子の隣に紫堂がいた、何か話してる?響子の顔が赤くなっていく…何故?
紫堂が響子から離れた、何を話したんだろ…気にしちゃダメだな、切り替え切り替え!
パンッパン!
…頬が痛い
「護」
「ん?どうした?」
「先に謝っとくわ…ごめんなさい」
響子は俺に謝った、なんでだろうねー嫌な予感しかしないなー。
「一応聞くが何故謝った?」
「護が死んだら……私のせい」
「いや、まぁ、そうだけども。殺すな」
「それに…私が勝てば……」
「勝てば?」
「………ふふ」
「……その先を……」
「始め!!!!」
「言わないのかよ!!」
……という流れで今こんな現状、俺の目の前には空中で固定された無数の矢。
「初撃で死ぬ流れだ、あれは避けられないだろうな。」
「護……いくよ?」
「模索してんのに!よし来い!」
響子が俺に指を指す、それで反応したのか矢が一斉に動き出した。
逃げる隙間を探せ!……あー無いわ、ちゃんと綺麗に並べて出しやがったな。 いきなり試すのは怖いけど…やるか!俺はグローブを両手に装着、準備完了。
「何をする気?」
「それは見ての…!…お楽しみ!」
千本の矢が一斉に俺を刺しにくる、チャンスは一回。
失敗は死、成功は生。嫌な二択!絶対に生きる!
〜響子視点〜
護が赤いグローブを着けて準備をしている、真剣な護はかっこいい。
最初は護と闘いたくなかった、幼なじみで何で傷付け合わなきゃいけないのかと悩んだ。
試合が始まる前に知らない先生が来た、私に話があるらしい。
『お前が篠崎か…その顔は闘いたくなさそうだな』
表情でバレてしまったらしい、あまり表情は表に出ないんだけど。
『私は……護と闘いたくない』
『ふむ……なら良い案があるんだが…聞くか?』
なんか怪しい…聞くだけ聞いて決めればいいわね。
『案とは…何?』
『お前が勝った場合…草壁とクラスを一緒にする、さらに席は隣に『乗ったわ』…早いな』
まさか叶わない夢が目の前に出されるなんて、ふふ…ふフフ…フフフフフフ
『ただし!勝ったらだからな、負けたらこの話は無しだ。』
『大丈夫です、必ず勝ちます』
『そ、そうか…なら頑張ってくれ!じゃあな』
その案を私に提供して先生はいなくなった、こんな良い事が起きるなんて!
残念だけど護、手加減出来ないかもしれないわ。
そして…この闘いで確かめさせてもらうわよ。
あなたの実力を……ね
紫堂「あれ?…私だけか?」
菫「草壁君は戦闘中ですので来れませんよ」
紫堂「おぉ!そうか!じゃあ今日は菫と二人か!」
菫「そうね…じゃあ張り切ってだらけましょう」
紫堂「なんか不満顔だな、お前がだらけるって事あるのか?」
菫「私も人間ですから、だらけることもあります。はいお茶」
紫堂「ありがとう、しかし生徒がいないといじる奴が……目の前にいた」
菫「な、なんですか?そんな獲物を見つけた眼をして、いや……いやあぁぁぁぁ!」
紫堂「待て!まだ何もしてないだろ!おーーーい!」
紫堂「ちっ!見失った、私そんな怖いか?…ズズズッ…はぁ、お茶が美味い」
菫「次回は…ぐすっ……新キャラ登場!?…ですって…うぅ」
紫堂「いや、泣きながら言うなよ。はぁ…草壁来ないかな…」