第二話
初めての高校生活、通学路を歩くだけでワクワクする心。
周りは皆同じ制服で通学路を歩く。
緊張した顔や楽しそうな顔、皆楽しそうな表情で歩いてる。
俺は学校の門の前で深呼吸をした
「さて…行くか!」
新しい学校生活が始まる、楽しい毎日なればいい!
高まる気持ちを抑えながら一歩を踏み締めた!
……という夢を見た
目の前は天井、一気に現実に引き戻された。
「……夢…か…はぁ。」
乾いた笑いしか出なかった、現実は残酷だ。
時刻は朝の7時、少し早めに起きてしまったようだ。
「まだ寝れるな……寝るか〓。」
布団の中に潜り眼をつぶろうとした時、
「寝かせないわよ?」
声がした、しかもちょっと怒ってる?
声がした方を見るとポニーテールの少女が立っていた、少女は既に制服を着ている。
「何か…用か?まだ眠いから…寝るぞ?」
「寝たら……。」
「…?寝たら?」
「あんたの鼻を殴打する、起きてもやめない。」
とんでもない事を言いやがった。
「殴打すんな!つーか起きたらやめろよ!」
ひたすら鼻血でるわ!何て恐ろしい事を考えるんだ…ちょっと想像しちまったぜ。
俺の鼻を殴打しようと考えた女は篠崎 響子、幼なじみだ。 黒髪をポニーテールにして清楚な顔立ちをした女、一応お世話になってる親御さんの娘だ。
そういえば俺について話してなかったな、簡単に言うと親が居なくなっちまった……二人で仕事と言ったきり今まで戻って来ていない。
親が居なくなった後、響子の親御さんが来て一緒に住むことを提案してくれた、最初は断ったんだが……。
俺に拒否権が無かった、親御さんは俺の親に頼まれたらしく、
「護君のお母さんに頼まれたのよ〜、息子をよろしく☆ってね。」
そのまま成り行きで響子の家に住んでいる、一部屋借りて暮らしてる感じだな……親の事は心配だけど先に自分の事をちゃんとしてから考える事にした。
俺がいつまでも動揺しててもしょうがないんで、親の事は保留にした。
説明は以上だ、何か質問あるやつはいるか?
「はい。」
「はい、響子さんどうぞ。」
「質問じゃないけど…時計を見てほしい…。」
時計?今は話してたから、7時半だな……7時半!?マズイ!初登校から遅刻する!それだけは避けたい!確か学校は8時から始まる…しかし事情があって学校まで時間がかかる!
「頑張って…私は先に行ってるから。」
響子がポケットから小さな紙を取り出し床に置いた、数秒後には紙が光を放つ魔法陣に変わっていた。
「また……学校で…。」
響子は魔法陣に入り姿を消した後魔法陣も同時に消えた。
「魔法陣登校凄いな…って驚いてる場合じゃない!」
俺は身支度を始める、まだ寝巻じゃん!くそー!うちの学校は学ランだからまだ楽だな、最初は魔法臭い制服かと思って不安だったが……よかったよかった。 よくねーよ!時間無いから!着替え終わり鞄を持ち一階に走る、響子のお母さんが玄関にいた。
「あら、護君ご飯は?」
「今日はいいっす!」
「わかったわ、気をつけていってらっしゃい。」
響子のお母さんは笑顔で俺を送り出してくれた、紹介出来なくてごめんなさい!次はちゃんと紹介するから!
「行ってきます!」
俺は駐輪場に向かい自転車に乗る、俺は響子とは違う登校だ。
現実的な登校、自転車通学だ。