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第三話【まともな会話】#3

 勝つと言っても、勝ち方が見えないけど。どうしたら、いいか。疲労を狙うか、いや、先に俺がくたばる。一体に集中して先に倒すのが一番良さそうだな。

「こら、こいや化け物!」

 猪の化け物が突っ込んでくる。剣をかまえて、足を踏ん張る。タイミングを見計って、こっちも一気に走り出す。二体目の方は、まだこっちを向いている。

 追いかけてきた。これなら、2人に向くことはない。やはり、足が遅い。剣を構えた状態で走るからそこまで早くない。でも、猪も向かってくるからタイミングを合わせるだけ。猪に剣がぶつかるとそのまま、胴体を上下に真っ二つにした。あたりに血がふきでる。血に濡れて、もう1匹の足が明らかに遅くなった。すべらない位置を狙いながら走る。足が止まっている間に、剣を振り下ろして、右前足を切断した。もがいている間に、後ろ足にも攻撃を加えて、動きを完全に封じた。やはり、動きを止めるだけではだめだよな。首の付近に行き、急所をめがけて剣を突き立てた。血が馬鹿みたいに溢れ出す。気がついたら、雄叫びを上げていた。呼吸を整えるためにその場にしゃがむ。一息ついて、呼吸が安定してきたところで、後ろの少女たちに声をかける。

「大丈夫ですか?」

 あれ、でも、言葉通じるのか?通じなかったら何にもできないぞ。

 流石に驚かれた。そりゃあ、知らない人にいきなり魔物から救われたわけだから、すごく唖然としていた。

「だ、大丈夫です。」

 よかった。話が通じる。倒したことを教えてあげると、安堵したのか、一気に息を吐く。異世界だけど言葉が通じてよかった。声出てよかった。何日もろくに喋っていなかったから、会話が成り立つか不安だった。全身に血がこびりついているが気にしないで置くことにした。気にしたところで水もない。みず?さっきのところに戻れば、水あるじゃん。そこから、彼女たちとさっきの印を付けたところに戻って、川に潜って、血を洗い流してきた。その後も、森を抜け出すまで、歩きながら彼女たちと話をしていた。どうやら、彼女たちは、冒険者で目的だった魔物を討伐して、魔石を取り出して持ち帰れる量の素材を確保して帰ろうとした矢先に猪に見つかって、戦ってみたけど一方的に攻撃されて、逃げるにも体力がなくなり万事給すだったところを助けた感じらしい。無事でなによりだ。よくよく見ると、2人の髪色は薄い青色だ。しかし、銀髪というわけでもない。それに、見る感じ地毛である。2人の区別は短髪と長髪で見分けがつきやすい。顔は似てるけど兄弟か双子かな?その後、簡単に自己紹介していた。

「私の名前は、ユキナ・グイーン。ユキナって呼んで。っで、こっちが妹の。」

「ユイナ・グイーンです。ユイナって呼んでください。」

 短髪がユキナで、長髪がユイナね。名前も似てて間違えそう。

「2人は姉妹?それとも双子?」

 2人は、なんか不安そうな顔していた。気まずそうに言い始めた。

「私達は、その、ふ、双子なのよ。」

 双子か〜。そりゃあ、顔も似ているわけよな。怯えている。

「私達、双子だよ。だから、関わらないほうがいいわよ。」

「え!な、なんで?」

「なんでって。私達は神に敵対する悪魔の子って言われているから。」

「は?なんだそれ?悪魔の子?意味わかんねぇ。」

 理由としては、この世界のある国には、双子の子を悪魔の子と呼ぶ神教があって、結構多くの信者がいて力の強い神教らしく、世界の2大宗教の一方らしく、その神教の人達は双子と聞けばすぐに攻撃するぐらいに嫌っているらしい。なんなら、生まれてきたその場で殺してしまうこともあるとのことだ。

 どんな、最悪の教えだよ。命は大切にだろ。でも、殺しの普通の世界。生き物を殺すのが普通。殺さないと行きられない。そんな世界なのだ。

 そんなこんなで、2人が不安にしていたわけらしい。双子と聞いたら急に攻撃されるかもとでも思われていたのだろうか。双子であることを知ってもなんにも驚かない俺に、逆に驚いていた。

「大丈夫だよ。僕は、宗教とか興味ないから。」

「え!?ほ、ほんとに。後で痛めつけるとかない?」

「なんで、そんな事する必要あるんだよ。人の命は皆平等。双子だからって、差別されていいわけではないからね。」

「でも、お姉ちゃん。ほんとに信頼して平気なの?」

「多分大丈夫だと思うよ。完全に信頼できるわけではないけど、他の街の人とかよりは信頼できると思う。」

 ひとまず信頼してもらえたかな?初めてであった、人からの信頼なくしたらこの世界で行けて行ける気がしない。同い年ぐらいだと思うから、話しやすいからな。

「で、あなたは何者なの?人のことばかり聞いていないで、自分のことも話しなさいよ。」

 ということで、自己紹介する。

「僕の名前は、谷元誠冶。名前が誠冶で、名字が谷本ね。セイヤって呼んで。」

 二人の名前の感じからして、ここは日本とかじゃなくてどちらかといえば海外の名前に近くなるだろう。異世界である以上こういうギャップにも慣れていかなきゃな。日本みたいな国があると話が早くすんでありがたいのだけどね。

 2人が疑問形で聞いてくる。

「シェンテリの人?」

 シェンテリ?どこだそこ。どうやらこの世界には、日本にの昔に似ている場所があるらしい。日本のような国があるのは気が楽になるな。地名を少し聞く限り江戸時代より少し前の日本ぽい?安土桃山ぐらい?

「まぁ、そんなとこの出身かな?」

「なんで、あんたが疑問系なのよ。」

 こっちだってシェンテリなんてとこ知らないし。日本のような地域の名前があるなら、俺の名前もなんとか平気そうだな。時間経過で俺も慣れていくだろう。

「てか、2人のこと名前で呼んでいい?」

「え!?別に構わないけど。」

「名前で呼んでもらえないとどっちを呼んでるかわからないからそっちの方がいいと思います。」

「ありがとう。」

 名前呼びなんか変な感じするな。現世だと、名字だし呼んでなかったからかな?てか、名前で呼んでもらうのも名前で呼ぶのもなんか変な感じ。

 というか、現世だとあんなに避けられていたのに、こっちの世界だと何にもないように接される。そういえば、後輩に変なオーラが出てるって言われたことあるな。自分では、変なオーラなんてわからなかったけどな。でも、そういうものがないと信じれないくらいに避けられていたからな。なんで、あの後輩は俺にあんなに接することができたのか、本当に疑問である。こっちの世界の人も普通に接してくるのだろうか。だとしたら、多分俺が接し方について考えるハメになりそう。接し方なんて知らないから仕方ないよな。

 変な感じに自分を納得させてしまった。一度、さっきの猪の化物がいた場所にもどった。

「ところで、魔石を回収しようと思って戻ってきたけど、これは、魔石すら粉々になってしまったかもしれないわね。」

「ここまで、頑丈な剣を見たのは初めてです。」

「え、俺やりすぎちゃった?」

「ここまで、粉々だと、ちょっとやり過ぎかもしれないわね。だって、あんた血まみれだったもの。」

「川で洗い流して正解でしたね。」

「そ、そうだね。」

「セイヤは魔法は使えないの?」

「わからない?」

「は?わからないってなによ。わからないことないでしょう。」

「いや、まだシェンテリからでてきたばっかでさぁ。」

「ふ〜ん。まぁいいわ。」

 なんとか、納得してもらえたー。シェンテリをよく知らない感じだったからごまかせた。

 魔法か。使ってみたいけど、こういうのって難しいか、適性みたいなものが必要なのが常識だよな。異世界人の常識だと、特別な力があるみたいのが常識みたいなとこあるけど。俺なんかにあるわけねぇよな。

 水魔法で、体全体を洗ってもらうこととかもできるんだろうな〜。でも、水魔法でやると洗ってもらったっていうよりも、吹き飛ばされた感じになりそうだけどな。絶対に濡れなくていいとこもびしょびしょだろうな。まあ、川に潜ったからびしょびしょだけども。こんだけ、暑ければ流石に乾くかな?

「その剣ちょっと持たせてよ。」

「う、うん。別にいいけど。」

 と言って渡したら、剣がそのまま地面に落ちた。

「え、今私ちゃんと持ったわよね?」

「ちゃんと渡したと思うけど。」

「んー!なにこれ、重すぎる持ち上げられない!」

 そんな重かったのか?大したことなかったけどな。

「お姉ちゃん。これ、剣が持たれる人選んでるかもしれないよ。」

「あんた、こんな剣どこでもらったのよ!」

「もらってはないよ。落ちてたのを拾っただけ。」

「拾っただけ!?」

「もしかして、魔剣とかって言わない?」

「わからない。ただ、この剣は間違えなく、セイヤ以外に持たれる気はないらしい。この剣をあんな軽々振るにはそれぐらいでもないと考えられない。」

 そんなことあるのか?剣が意識を持っているとでも言うのか?とか、思いながらも歩いていく。魔石がなかったから金にはならないとか言いながら、のんびり歩いた。

 街に向かって歩いて行くといつの間にか暗くなってしまった。けど、ギリギリ、街にはついた。なんとか、安心だ。

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