一日目⑦ 鬼ごっこ開始
初投稿なのでだいぶ雑です!
多目に見てくれると嬉しいです!
僕は森の中を走り続けている。
外はもう暗い、気を抜けば木にぶつかり、ムチに逃げられてしまう。
「はぁ……はぁ……」
息がきれていくのを感じる。
「は……はぁ……はあ……」
「大丈夫か!」
前を走っているナイトが心配そうにこちらを見る。
「はあ……大丈……うわっ!!」
「アサオニ!!」
僕は地面に倒れ込む、木にぶつかったのだ。
ぐっ……このままじゃ……
「あいつ、”洞窟”へ向かっているぞ!!」
洞窟に逃げられてしまう!!
僕が立ち上がろうとしたその時。
_______!?
ムチがどこにいるかが、感じ取れなくなった!?
もしかして、僕から一定時間離れたら場所を感じ取れなくなるのか!?
あいつを絶対洞窟に行かせるわけにはいかない!
なにか……何かないのか!?
「くそっ……!そこで待ってろ!」
ナイトが一人でムチを追いかけに行く。
「ふっ!」
彼は勢いよくジャンプし、猿のように木をつたいながらムチを追いかける。
早い、これならすぐに追いつきそうだ。
「待てぇぃ!!」
ヒュンッ
どぉっ
彼はムチに剣を投げつけ、剣が爆発する。
「どうだ!?」
彼は木から降りて確認するが……
「チッ……」
どうやら、逃げられたらしい。
「はぁ……はぁ……やっと……追いついた……」
やっとナイトに追いついた、酸素が体中を回らない。
「どうする、このままじゃ逃げられるぞ」
どうするって言われても、もう、どうしようも……
そう思ったところで、思い出した。
そうだ、僕は女神だったんだ、だったら……
僕は右手を前に出す、そしたら、
「やった……!」
右手から、光のムチが生えてきた。
記憶で見たものよりは細いが、今はこれで充分だろう。
そしてそのムチを、ナイトに渡す。
「これを使ってアイツを追いかけてくれ、光ってるからこの方が見つけやすいと思う」
僕のムチがナイトの腕に入っていく。
「お……おう、わかった」
ナイトは僕からムチを受け取り、そのムチをターザンロープのようにして進んでいった。
これできっと、上手くいく……!
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俺は空を飛んでいる、いや、飛んでいるわけではないが、そんな気持ちになっている。
夜は涼しく、風が気持ちいい。
いや、そんなことを言ってる暇はない。
俺はスピードをあげる。
アサオニから借りたムチのようなものを、木に引っ掛けながら進んでいく。
戦いが終わったらまたアサオニから借りよう、意外と楽しい。
しかし、変なやつだ。
いきなり現れたし
変な名前だし
変な服着てるし
変な能力持ってるし
まさか異世界人だったりして、そんなわけないか。
でも嫌いじゃない、面白いヤツだ。
あの時助けたのは正解だった。
しっかし、何か引っかかる。
アイツには、魔王と同じ何かを感じる。
確証があるわけじゃない、ただ感じるだけだ。
だがそれは、”悪”の心ではない。
魔王に元はあったような、”善”の心だ。
スピードをどんどんあげていく。
あの黒いやつぶっ潰したら、話を聞いてみよう。
また面白いことになるはずだ。
だからその前に黒いやつを見つけないと。
…………でもどうやって見つけんだ。
ムチみたいなヤツが光ってると言っても、周りを照らすくらいで黒のアイツを見つけられそうにない。
どうすれば……
…………………!?
なんだっ!? 何か感じる……! これは……!
黒いヤツの位置だ……!
「ふっ……」
思わず笑いがこぼれる、また面白いことになった。
まだまだスピードをあげていく。
もっとスピードをあげる。
さらにスピードをあげる。
限界までスピードをあげる。
そして……
「そこだぁあぁあぁ!!」
思いっきり剣を投げつける!
どぉうん
俺の投げた剣が爆発する。
俺は木から降りて確認すると、そこには。
飛散した黒色があった。
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ひぃひぃふう……ひぃひぃふう……
遠くで爆発音がしたそこに向かう。
走り続けて疲れた、足が痛い。
でも休むわけにはいかない、痛む足を撫でながら、僕は進んでいった。
数分後
「やった……!」
黒のムチが爆散している!
ナイトがやってくれたんだ!
これで一件落着……!
…………何か忘れてるような気がする。
……………そうだ。
気づいたらブレイを置いてけぼりにしてしまった。
後で謝っておこう。
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黒のムチは爆散してから数分後、誰にも気づかれないような挙動で…
_______また、動き始めた。
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