一日目④ 宿にいた仲間
初投稿なのでだいぶ雑です!
多目に見てくれると嬉しいです!
宿についた。
鍵をもらい、自分の部屋に入る。
中はそれほど広くないが、一人で住むには充分だろう。
やることがないのでとりあえずベットダイブをしていると、騎士が僕の部屋に入ってきた。
いや、騎士だけじゃない、もう一人いる。
女の子だ、多分、年は僕と同じくらいだろう。
挨拶しようとしたその時、さえぎるように騎士が僕に話しかける。
「いきなりだが、なんでお前はあの洞窟にいたんだ?」
そう言われた。
ええっと…なんて返そう。
なぜ洞窟に行こうとしたのかは、僕が一番聞きたい。
なんか…僕の心がそこに行こうとしたから?
う〜ん…
「早く答えろ」
少しイライラした様子で騎士がそういう。
とりあえず無難そうな答えを言おう。
「えっと……魔王を倒すため?」
…………これでいいのだろうか。
すると騎士が、
「どうだ?ブレイ」
そう女の子に聞いた。
女の子は、
「う〜ん、嘘はついてなさそうです」
「そうか」
こんなやり取りをしている。
騎士は少し安心した様子で次のことを聞いた。
「ところで、お前の名前は何ていうんだ?」
「麻鬼 王太郎です」
「アサオニ…そうか、俺はナイトだ」
「私はブレイです」
ナイト…ブレイ…覚えやすい名前だ。
ナイトは次の質問をする。
「たが、お前に魔王を倒せる力は無さそうだったが…」
「ええと…それは無我夢中になってて…」
時間はあっという間に過ぎていった。
ナイトとブレイが自分たちの部屋に戻る。
気づけば外は夕焼けに染まっている。
疲れた、もうクタクタだ。
変わった名前だとか
その変な服はなんだとか
とにかく色々なことを聞かれた。
ふわあ…眠たい、少し早いけど今日はもう寝てしまおう。
明日に備えておこう、きっと明日もすごく忙しい日になる。
これで、あと2日…
それまでに魔王を倒さなければ、僕は…
いや…
またナイトとブレイが僕の部屋に入ってくる。
「どっどうしたの?」
「いや…お前だけに散々喋らさせて悪いなと思ってな」
ナイトが言おうとしたことを、ブレイが続ける。
「だから、私たちも話そうと思ったんです」
そしてナイトたちは自分が魔王を倒すと決めたきっかけを話し始めた。
______________________
俺は洞窟を進んでいた。
この洞窟の近くに住んでいる人たちが、どんどん行方不明になっていたからだ。
この不気味な洞窟に自分から入るとは思えないが、どこを探してもいない以上、ここにいる確率は高いだろう。
どんどん洞窟の中を進んでいき、そして魔王を見つけた。
このとき俺はこう思った。
”殺さなきゃ”って。
悪寒が俺の体を走り抜けていく。
俺が動けずにいると、魔王はこう言った。
「お前もか」
薄々思っていたが、行方不明になった人たちはコイツに殺されたと確信した。
魔王は次にこう言った。
自分の名前が魔王であること。
そして…………
______________________
私は洞窟の中を進んでいる。
この近くに住んでいるおばあちゃんが、消えたからだ。
私は祈るように洞窟の中を進み続ける。
ただ洞窟の中を進んでみたら迷子になっただけで、おばあちゃんは無事だと。
でも、そんなわけなかった。
しばらく進むと、魔王がそこにいた。
「お前もか」
動けなかった。
そして同時に、次のことを理解した。
おばあちゃんは、コイツに殺された。
魔王は次にこう言った。
自分の名前が魔王であること。
そして…………
______________________
あともう少しで、全世界の生物の魂が全て消滅すると。
「あとは…」
「無我夢中になって逃げたさ」
そう言われた。
……全世界の生物の魂が全て消滅する?
なんで…消滅するのは僕の魂だけじゃなかったのか?
…と、普通なら思っていたことだろう。
でも、僕は驚かなかった。
だって、
もう既に、”思い出していた”から。
面白かったらブックマークなどお願いします!