一日目③ 逃走
初投稿なのでだいぶ雑です!
多目に見てくれると嬉しいです!
_______僕は、全てを思い出した。
だが、その前に…
「ッッッ!?」
ひどい頭痛だ。
まるで荷物でパンパンになった鞄の中に無理矢理さらなる荷物を詰め込まれていくみたいに。
脳という鞄の中に、情報という荷物が流し込まれていく。
もう鞄のチャックが弾け飛びそうだ。
僕は地面に倒れる。
倒れた先に水たまりあって、僕の着ている制服が土で汚れた水を吸い込んでいく。
中のシャツが濡れる。
ついに皮膚まで到達する。
不快感を感じる。
だけどそんな不快感、今の僕にはどうでも良かった。
頭痛は鳴り止まない。
そして僕は、気絶した。
「ぐっ…」
「ぐっ…」
声がうっすらと聞こえる。
「ぐぐっ…」
苦しみに満ちた声だ。
首を絞められていた騎士の声だ。
その声はゆっくりと僕の方に近づいていく。
そしてその騎士は僕の目の前につき、僕を抱えて、
跳んだ。
風を感じる。
ジェットコースターに乗っているような強い風だ。
その強い風で僕の意識は少しづつ戻っていく。
騎士はピョンピョンとカエルのように壁を伝って跳んでいる。
さっきの穴の空いた天井から出ようとしているのだ。
「逃がすかっ!」
魔王の声が聞こえる。
魔王の手から黒いムチのようなものが生えてきて、そのムチは勢いよく僕たちのほうに伸びてくる。
いや、”僕たち”ではない。
”僕に”だ。
「ッ!」
このままじゃ僕に当たる。あのムチが体に当たったらどうなるか、考えたくもない。
僕は考えなしに右手を前に出す。
僕にも力があるという、奇跡を信じて。
そしたら、奇跡が起こった。
「!?」
僕の手から、魔王と同じムチが生えてきたのだ。
僕のムチは魔王のムチと正面衝突し、勢いよく壁にぶつかる。
スパッという音がしそうなほど、壁がよく切れる。
騎士は上だけを見て跳び続けている
外に出れるまであと10秒かかりそうだ。
魔王はすかさずムチを伸ばす。
僕もそれに応えるように、ムチを伸ばしていく。
残り9秒
ムチ同士がぶつかる、壁にぶつかる、切れる。
残り5秒
ムチ同士がぶつかる、壁にぶつかる、切れる。
残り3秒
ムチ同士がぶつかる、壁にぶつかる、切れる。
残り1秒
僕の体は、光に包まれる。
やっと外に出れた。
「ふんっ!!」
騎士が外にある岩を剣で思いっきり叩きつけ、その岩が爆発する。
爆風で僕たちはふっとばされ、穴の空いた天井は爆発した岩により、また塞がれる。
やっと魔王から逃げられた。
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僕はおんぶされながら流れてきた記憶を思い返す。
あれは、
とここで騎士が僕に呆れたように話しかける。
「なぁ…そろそろ一人で歩けるか?」
「あっはい」
僕は大きい騎士の背中から飛び降り、騎士の横を歩き始める。
そして僕も、騎士に話しかける。
「あの…これってどこに行ってるんですか?」
「んあ?宿にだ。」
そうか、宿か。
何も話さないまましばらく歩き続け、僕たちは宿についた。
〜洞窟〜
魔王「逃げられたか…」
魔王「まぁいい、あと3日…あと3日だ」
魔王「全てが”終わる”、その先に”始まり”はない」
魔王「ふふっ…ふふふふふふ…ふっふっふっ…」
魔王「ふふふっ…ふっ…ふっ…ふふふふふふっ…」
魔王は、壊れたように笑い続けた。
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