三日目③ ソイツは
初投稿なのでだいぶ雑です!
多目に見てくれると嬉しいです!
僕は吹っ飛ばされた。
景色が目まぐるしく変わっていく、吐き気を我慢しながらただ止まるのを待つ。
「がっ……!」
壁にぶつかり、やっと静止した。
魔王の方を見ると、煙があがっている、あれは……ナイトの剣のヤツだ。
まだ持っていたのか。
煙がなくなっていき、魔王の姿が見えてくる、その魔王の姿は……
「ゲホッ……!ゲホッ……!やり……やがったな!」
体全体、焼けていた。
肉が焦げた匂いがする。
焦げている髪、蒸発した右目、ただれた皮膚、腹からは真っ黒の臓物が飛び出し、地面にグシャッという音を立てながら落ちる。
「ぐわっ!」
魔王は糸の切れたように地面に倒れ込む、足元を見ると、そこには足は無い。
爆発により、消し飛ばされたそうだ。
「おんのおれぇぇ!」
魔王は僕を蒸発した右目で睨んでくる。
もう……終わりだ。
僕はムチを生やす。
ゆっくりと魔王に近づき、魔王の首元に、思いっきり……
ドシャッッッ
手が止まる、後ろの方で音がした。
穴のあいた天井らへんからだ。
後ろを見ると、そこにはブレイが倒れていた。
いや、ブレイではない、それは……
……後頭部から脳味噌が飛散している、”死体”だった。
「……は?」
死んでいる、どこからどう見ても。
「一人目」
魔王は小さい声でそう呟く、僕は魔王の所を見たときには、もう……遅かった。
ボタッ……ボタッ……
血が溢れる、僕の体から。
魔王の指から小さな黒いムチが飛び出し、僕の脇腹を貫通している。
そのムチが体から抜かれるとともに僕は座るように倒れる。
遠のく意識の中、存在を感じる。
僕に近づく、ソイツは……
僕の体から出てきた、ミミズのような黒いムチだった。
まだ、死んでいなかったのか? あの時……ナイトが……
ソイツは地面に吸い込まれていくように溶けていった、まさか、あれは死んだんじゃなく、地面の中へ逃げていた?
あの時、ちゃんと確認していれば、ブレイは死なずに済んだ?
僕のせい……なのか……?
絶望……ただそれだけを感じている、そしてその先もまた……絶望だ。
もう魔王を殺す術は無い、これで全世界の魂が消滅する。
「さぁ……どうする?」
魔王が僕に質問する。
「また、俺の中に入るか? そうすればお前は死なずに済む」
倒れている魔王と目が合う、魔王の右目は、もう治っているようだ。
まだ右目以外は治っていない、じわじわと回復している。
魔王の中に入れば、僕は生き残る?
ぼんやりした意識の中で考える、僕はどうすればいい?
このまま僕は、皆を皆殺しにするのか? それとも僕が死ぬのか? それか……魔王に勝つのか?
……もう、考えたくない、疲れた。
この3日間のことすべて忘れて、家に帰りたい。
何も考えたくない、動きたくない、そもそも、僕はなんでこんな目にあってる。
ただ暮らしていた、それだけなのに、殺されて、転生して、今、こんな目にあっている。
なんで僕だけ、こんな目に遭わなくちゃいけない。
「さぁ……どうする?」
魔王は少し苛ついた様子でまた質問する、もう待ってはくれないらしい。
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長い沈黙、その間、何も考えてない。
ただただ、時間だけが過ぎていって。
ようやく、答えが出てくる。
その答えは……
……2つの閃光。
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