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こうして僕達は婚活活動をする~国民達から集めた税金で婚活活動だ~

「う、う~~~ん…………」


天使は地上に降り立った。


「女神様は荒いなぁ!良い年して乱暴な方だ!」


天使にも落ち度があったのは事実だが、……色々あって、勇者のレベルが100000な原因の1つに彼女がいる。女神もこの子の命を保証し、自分のコマ使いとして扱ってもらったわけで。恩義がないわけでもない。女神はむしろ良心的だ。



「!…………」

「どうした、勇者」

「……僕に意識を向ける、他人がいきなり現れた」

「どのくらい先だよ」

「50キロ先。草原の地。近くには虫が67匹、風速は0.1m、気温は16度、」

「だ~~~。面倒だから、連れて来いよ。ここの窓を開けてやるから」

「分かった……」


転移スキル、”インドラ”


気を集中させつつ自分から電磁波を飛ばし、各地の静電気を感じ取り、それらを束ねながら対象者の静電気に触れて転移する、その間を雷速で移動する。Uターンする時に使いやすい転移スキルである。



ババババッ


「ふああぁっ!?ふああぁっ!!?」

「……………!」

「お~、速い速い。……で、誰なんだ?その女の子」


草原の地に降り立ったと思ったら、次の瞬間には婚活会社の中に入ってしまった天使。僧侶は初めて対面したが、勇者と天使には面識があった。勇者にとっては一瞬だが


「天使………」

「ゆ、勇者様ーー!?ど、どうして急に!!」

「知ってるのか?教えろ」

「僕をレベル100000に、レベルアップしてくれた、天使だ」

「!あ~、話で聞いた。あの天使ちゃんかー。……って、普通に人間界にいるのはなんでだよ?」



天使の状況は混乱していたが、出会わなければいけない勇者と出会えたことで。テンパリつつも、自分の目的を伝えた。


「勇者様!!どうか誰かと結婚してください!!勇者の血が絶たれたら!!少子高齢化でこの世界が間もなく終わります!!」

「………………」

「天使ちゃん。悪いんだが、もうそこでくたばってる王様のせいで、世界はもう闇に包まれてるから諦めろ……」

「だ、だ、誰ですか、あなたは!!まだ大丈夫!!ちょっと大丈夫!!うん!イケる!!絶対に相手がいますから!!」

「……………あの、……君もどうして、……僕に言うの?」


勇者。困惑の表情である。これでも精一杯に、自分の気持ちを伝えたつもりである。あまりに達観しているというか、一人の人間としての動きには違いないが。

婚活するような男ではない、男として見られないような、表情であり仕草である。


「気持ち悪い」

「ええ………」


僧侶が非道ではあるが、天使ちゃんにも分かりやすく言っているつもりだ。何しに来たか、知らないが。僧侶はこれでも勇者の味方だ。


「天使ちゃんとやら。勇者を男としてどう思う?俺は婚活会社をやっているが、こいつは人間としても、勇者としても、……一人の男性としても、終わっている。結婚なんてできん」

「な、な、なんですかあなたは!?ホントになんです!!酷いです!」

「婚姻届を書くまでは、違法だろうがなんだろうが、作るまではできるが……男女が思っている結婚生活を、こいつができるとは思えん。一言で言うが、気持ち悪いで終わるからだ」

「………………複雑、……正論」

「天使ちゃんも王様も。……俺が勇者に協力する義理はねぇし、なんなら勇者は俺と同じ意見だろ?理由は違えど」

「………………」

「で、でも!!世界が!!……このままじゃ、世界が少子高齢化で!!」


いきなり現れた天使ちゃんの、悲しい泣き顔に、複雑な気持ちが出て来るのは確かだが



「その通り!!国民が減ったら、基本的な税収が減るじゃないか!!増税の増税をしなければ、儂の世界が崩壊してっ、儂の利権ばかりの豪華な生活が潰れるではないか!!」



バギイィィッ



「テメェが諸悪の根源だろうが!!ノウノウと政治をサボりまくってたツケのせいで、国民が貧困に喘いでるんだよ!!平和になった事と、勇者を利用した税金徴収してたろうが!!」

「うえええぇぇ~~~ん」

「爺が女の子みたいな泣き方すんじゃねぇよ!!テメェは気持ち悪いよりも、おぞましいぞ!!」


僧侶が国民を代表するかのように、王様をボコボコにしながら、天使は勇者にお願いの眼差しを向けるのだが……こんな可愛い天使の眼差しにも、


「……………」


無表情で、……しかも、目を合わせてくれない。

天使にも勇者の強さとレベル以外にも、何か色々と欠落している人間性をすぐに感じ取れる。


「天使ちゃん。分かったろ。勇者は気持ち悪い。結婚させられない。相手方の気持ちも考えろ」

「で、ですが!!勇者様!!婚活は諦めちゃいけません!!」

「……………あの」

「結婚は誰でもできるのです!!皆、理想な相方パートナーではなく、自分の傍にいてくれて嬉しいとか、経済的な人とか……そーいう結婚もあるのですから!!」

「その…………僕、結婚する気ないんだけど…………」


人間性もそうだが、そもそも、勇者本人は婚活に飢えているような男性ではなかった。あまり自分の事を口にしないがため、僧侶が大まかに分かっている限りで、勇者に婚活はできないし、させられない事を天使と……死んで欲しい王様に教えてやった。

勇者も言っているが


「結婚する気がない人間を、結婚させるのは無理だ。これがまず1番どうしようもない」

「そ、そこをなんとか……!!」

「次に勇者は人間不信な方だし、争いごとは嫌いだ。勇者の血が絶えるのは残念だが、勇者の血に恐れているのは、勇者自身で間違いないだろう……いちお、そこの王様と血が繋がってる」

「ほっほっほっほっ。天使ちゃん、私は男前だろ」

「世界を崩壊させてる一族って事だ」

「………………そうだ」

「……あれ?儂、ディスられてる?」

「勇者の強さがそこの王様みたいな奴に渡ってみろ。マジでヤバイだろ」


世界が幸運に思うべきは、レベル100000の勇者が平和主義者であり、人間不信ではあるが、人間達を滅ぼしたりするような、悪を許さない、正義が絶対などという思想を持っていない事だ。

武力・暴力に、思想が介入する恐ろしさ。冒険をしていた勇者や僧侶には分かっている。王様の手元に勇者がいるのだから、クソみたいな政策を実行し続けてきたところもある。


「それに勇者は基本的になんでもそつなくこなすし、生きられるだけの金も持ってるし、やりたい事もあるタイプだ。それと仲間として同行してたから言えるが、こいつはかなり私生活も無茶苦茶だ」

「………………」

「遊び人みたいな、プラプラと遊ぶような奴じゃねぇけどな」


天使ちゃんが言った結婚の在り方を全否定するような男だよって、紹介するには十分。

世界を救うとかごもっともだが、……しかし、天使ちゃんも同じ。

世界を救って欲しい。魔王を倒すとかではなく、ただただ、



「勇者様!これから幸せになってください!!あたし達と一緒に、婚活の旅に出ましょう!」

「…………………いや、僕。婚活をしてなくても、幸せだよ……?」

「いえ!!違います!!絶対に違います!!1人で寂しいとか!!こんなお父さんに振り回されたり、仲間に悪口を言われて!!幸せだなんて!」

「あ。俺は勇者の事を仲間とか思ってねぇから。な?」

「……うん…………」

「ちょっとーーーー!!!と、と、とにかくです!!あたしとでも良いから!!婚活の旅に出ましょう!!」

「そ、その通りじゃ!!儂等、4人で勇者の婚活をする旅!!よし!!国民の税金でやるぞ!!税金で無双する婚活活動の開始じゃーーー!!」


天使ちゃんに心強いというか、最悪な仲間として、王様も協力をする。勇者は婚活に興味はないが、王様をぶっ殺すような野蛮な思想はないから、止めやしないのだ。……あえて言うなら、王様が諦めるなら付き合うといったところか。しかし、僧侶にその気はないし、税金をここにぶち込むのは止めろって表情が100%であり


「!!ふ、ふ、ふざけんなぁーー!!税金でこいつの婚活のサポートなんかするんじゃねぇ!!無駄金もいいところだ!!」

「ならば儂がお前さんの会社と結託している、偽情報を報道機関や司法省などに伝えて、……お前を地獄に落としてやる。儂をボコボコにしたツケもな……くくくく」

「き、汚いぞテメェ!!俺は今!!多くの従業員を養って、世界の男女達を幸せに結んでやってるんだぞ!!国が、国民達の幸せを潰すとか!!外道も良いところだろ!!王様じゃねぇよ!!テメェ!!今すぐ死ね!!」

「死ねぬわ!!儂は勇者が結婚し、子供ができ、抱え上げるまで死なん!!天使ちゃん!儂が金銭面でサポートするから、勇者を婚活させるのだ!!」

「ラジャーです!!」



こうして、珍妙な旅。

真に珍妙な、大冒険が始まるのであった。


「……………」


勇者の婚活をする、4名の旅。


「ふざけんなよ!!」


勇者、僧侶、王様、天使。

この4名による、勇者の婚活活動が始まるのであった!!


果たして、勇者はホントに婚活活動をするのだろうか?結婚はできるのであろうか?それに嫌々従う、僧侶はどんな気持ちでやるのであろうか?





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