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天使が世界を滅ぼしちゃう~無能なお前は地上に堕ちろ~

「おーっ、神よ、天使よ……この祈りこそ、幸せでありますように……」



人間界、魔物界、天使界の3つがあり、世界のバランスを整えていた。

天使は多くに命を与え、人間達は清らかな意志を持ち、魔物達は意志よりも力に飢えた。


「女神様ーー!人間達って清らかな意志がありますかねーー!!すっごく邪悪だと思うんですけど!!」


バゴンッ


そんなことを口にしてはいけません。

ちゃんと女神様は、3つの世界を作りました。

余計な事を言って、天使の成績が悪いこの子には、顔面をハンマーでぶん殴っても許されます。天使は両翼と女神に感謝する輪っかがあればすぐに再生できます。


「何度も言わせないの!!人間界、魔物界、天使界がある!!私はそのように分けたのです!!」

「……でも、人間達って勇者に限らず、魔物を駆逐してるじゃないですか!天使は両方に命を与えてますけど!」

「ですから!!」


バゴンッ


「暴力反対!!女神様のやることですから!!」

「お黙りなさい!まったく!!あなたという子は、……いつになったら、立派な天使になるのです!?そもそもです!!あなた!!ロクにキューピッドにもなれないし、あなたの不手際で人間界が大混乱にして……」

「でも女神様!!私の親が言ってましたけど!!人間界と魔物界って元々1つになってて、女神様のうっかりかなんかで、分断したとか……」

「過去は過去!!まったく!!まったく!!あなたのご両親と私はお友達でしたけど!そーいうデタラメを吹聴してたなんて!!」


バゴンッ


天使、レベル15。

結構長生きしているけど、ず~~~~っと、レベル15の天使がいた。

かなりの訳ありで、レベルが一向に上がっていない。他の天使達はもう100とか200とかのレベリングをしているのに、自分は15のまま。それだけキューピッドになっていない……というわけでもないが。罰せられている。


「いい加減、レベルを上げたいです!もう同期の天使が子供作って、その子供達にもレベル負けしてるんです!!いつも馬鹿にされてます!」

「あなたのせいでしょうが!!過去には最高の天使の器と呼ばれたあなたであっても!!懲役10000年にも値する罪を犯せば、命があるだけ良いと思いなさい!!ご両親は命を絶たれているのですよ!!」

「…………だって」

「”だって”じゃない!!人間界で今起きている平和こそ!今、地獄なのです!!」


ハッキリと女神様は、この世界の深刻な問題を語る。


「人間界はあと10年で滅びます!!少子高齢化!晩婚化!!子供を望まぬ者達!!人間は繁殖を止め!魔物達の大軍に襲われたり、蹂躙されることなく、勝手に滅ぶのです!そして、人間達の死は残る生命達の安定を壊すのです!!良いですか!!あなたはとにかく!自分の罪を無くすことです!!」

「そんな……いっそ、殺してください!!」

「ダメです!!分からせないといけない事もあるのですよ!!」


人間界の大きな問題に天使界も動き始めていた。しかし、人間界で起こっている出来事を、天使達だけでは変えられない。


「この流れを止めるためにもあなたが生かされた事を知りなさい!!」

「だからそれは……」

「勇者のレベルを、”100000”にしたのは、あなたのせいでしょうが!!魔王を軽く捻っただけじゃなく、魔物達も壊滅してるんだから、人間界のパワーバランスも変わってるのよ!!」

「でもぉ……」

「だ~~~~、ったら!!あなたはせめて勇者の血を絶やさぬように!!勇者に婚活させるように行ってきなさい!!」


バコンッ


「わ~~~~~!!」


こうして、上司の女神様によって、人間界に落とされる天使が1人。

勇者に婚活させるように降り立った。……というより、堕とされた。



「……さて、読者の皆様にはご説明しなければいけません。今、天使界も大変なのです」


女神様を中心に、いくつもの天使達が管理されている状況である。

この天使の役割は命を生み出す手伝いをすることである。高い能力を持った存在を作ったり、数多く繁殖するために、天使・女神への加護が存在するのだ。

しかしながら、現在。

魔物の数が圧倒的に足りていないのだ。それは単純明快で、魔王が死んでしまい、その部下達や重要な魔物までも滅んでしまったのだ。

レベル100000の勇者によってだ。

人間界は今、とても平和なのは、魔物がほとんど全滅してしまい、非常事態と言えるくらいの弱体化をしてしまった。その癖、魔物達は人間達への強い恨みが増幅している状況。


天使界として、魔物達のバランスを整えるため、天使の99%が魔物達の生誕に力を尽くさねばならぬ状況であり、人間達にはその加護を受けられず、平和による栄華もあれど、不景気の波が押し寄せている。多くの職業にも価値観が変わり、……それを時代の流れとして良く言えるものでも、人間が滅ぶとあっては話が別である。


時代に合わせて、人間達も変わるべきだというのに……人間達は10年後に滅ぶ可能性がある。


「そのためにも、魔王のような邪悪な存在を滅ぼす、時代の存在。勇者の血を絶やしてはならないのです……”あいつ”のせいで、勇者のレベルが100000になったから、ややこしくて困ります。少し遅れましたが、世界の危機である事はお伝えしました。動いたところでどうにかなるか、分かりませんが」




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