再会
20話です。久しぶりの更新です(・ω・)。
「最近は何だか機嫌がいいね」
美羽の家でくつろいでいると、不意にそんなことを言われた。
「そう?」
「うん。鼻歌も歌ってるし。何かいいことあったの?」
「まあいいことがあったというか……」
説明するのが恥ずかしくて、話をそらすように切り出す。
「そういえば美羽、今度遊びに行かない?」
「いいけど。学校はないの?」
「それは大丈夫。それで僕の友達も呼んでいい?」
「うん。いいよ」
「ありがとう。じゃあ連絡するね」
翼にチャットする。
「美羽はどこか行きたいとこある?」
「……ボウリングかな?」
「ボウリング?前に行ったよね?」
「行ったけど、もっかい行きたくてさ。それにチーム戦とか楽しそうじゃない?」
「確かに。じゃあそれも連絡しておくよ」
******
当日になり、翼と学校から待ち合わせ場所に向かう。
チャットで美羽と連絡を取りつつ、合流を目指す。
「学校に荷物を取りに帰るのがちょっと面倒だな」
「まあそれはしょうがないな。お前は帰る時に制服じゃないといけないし」
「そうなんだけどね」
どうにか出来ないものか考えていると、前方から警察官が歩いてくるのが見えた。
警察官は僕たちに気づき、少し表情を変えて近づいてきた。
その様子に不安を覚え、身構える。
「翼君、お疲れ」
「佐々木さん。こんちわっす」
どこかなじんだ雰囲気の中、翼は会釈をする。
「今日はいつもの用事?」
「そうっすね。じゃあ俺達は急ぐんで」
立ち去ろうとした時、警察官は翼を止めた。
「ちょっと待って。翼君に伝えておきたいことがあるんだ」
「了解っす。優太。先行っといてくれ」
「あ、ああ。わかった」
何を話すのか気になりつつも、空気を読んでその場を離れる。
翼と別れ、待ち合わせ場に向かうと、美羽の姿が見えた。
「おはよう、美羽」
「優太、おはよう」
美羽はいつもよりラフで、動きやすそうな格好をしていた。
その姿が少し新鮮に感じる。
「今日来る友達の名前は何て言うの?」
「翼ってやつと、桜って子」
「桜?」
「そうそう……って丁度来たよ」
美羽の後方、少し遠くから手を振りながら桜が歩いてきていた。
「おはよう、優太。それと君は……あれ?」
桜は期待の目をしながら質問をする。
「みーちゃん?」
その呼びかけに美羽は表情が一瞬引きつった。
「そう……だよ。久しぶり、桜」
美羽はすぐさま笑顔にするが、その表情は少しぎこちない。
対して、桜の方は元気な笑顔で話している。
「久しぶりだね!まさかみーちゃんだったなんて」
「私も驚いたよ」
「二人は知り合いだったのか?」
「知り合いっていうか友達だよ。最近は連絡取れてなかったんだけどね」
桜が嬉しそうに言うが、美羽は元気がない。
どうかしたのだろうか。
不思議に思っていると、ポケットの携帯が震えた。
翼からの連絡だ。
「どうした?」
「こっちの用事が少し時間かかりそうだから、先に行っておいてくれ。俺は後でいくから」
「ああ、わかった」
電話を切り、二人に伝える。
「翼が遅れてくるらしいから、先に行こうか」
そうして、僕らはボウリング場に向かった。
祝、8月27日の恋愛の日間ランキングに載りました(40~47位)。
ありがとうございます('ω')ノ。
これからも頑張ります('Д')。