第94話 アウレールの悩み
パイロットたちの毎朝の魔力コントロール訓練は続いている。アウレールとクリスタの他、リリアーヌが魔弾を使えるようになる。
他のパイロットたちも魔剣セーデルに魔力を乗せてコントロールできるようになっている。
アウレールとクリスタ以外のパイロットは他の団員と一緒に訓練もしている。ブリュノはパイロットでも他の団員並みの戦闘能力を求めている。
学校に通っているアウレールとクリスタはクルトの元部下が午後に戦闘の訓練をしている。
アウレールは、ワルカの操縦と魔力コントロールは卓越していたが体力を使う戦闘訓練は苦労している。
射撃の腕もクリスタの方が上である。
アウレールはクリスタに言う。
「ワルカの訓練だけでいいのに、俺たち銃を持って戦う機会がないだろ。」「それは違うわ。ポートダグラスで戦ったでしょ。」
「あれは誘拐されたから仕方ないよ。」「でも訓練が役に立ったわ。」
「確かにそうだけど。」「私たち、16歳になったらみんなと一緒に訓練するのよ。」
「分かっているよ。」「アウレールならできるわよ。ワルカに乗ると強いんだから、きっと才能あるわよ。」
彼は今のうちに体力をつけなければ、みんなについて行けないと考える。彼はコンラートに訓練を頼むことにする。
「俺、体力無いから、今のままだとみんなと一緒に訓練できないと思うんだ。」「アウレールは活躍しているだろ。体力あるんじゃないのか。」
「クリスタと訓練しているけどクリスタに負けているよ。」「なら、足腰を鍛えないとな。」
「はい?」「明日から走るぞ。」
「えーっと、それだけ。」「俺は、仕事が終わってから2時間走っている。一緒に走るぞ。」
アウレールは、コンラートが学校に通っている頃から走ることが好きで休みの日には何時間も走っていたことを思い出す。
彼はコンラートに半ば強制的に走らされる。毎日2時間のジョギングで彼は体力をつけるが、コンラートについて行くことは地獄だった。