第88話 香港軍基地への集結
メレンチー司令官は、テレビで第2方面軍の壊滅の様子を見ていた。彼の顔からは血の気が引いている。彼は残った第1方面軍、第4方面軍に指示を出す。
「直ちに拠点を放棄、香港基地へ合流せよ。なお、拠点に武器弾薬は残さないように運べないものは破棄せよ。」
第1方面軍、第4方面軍はすぐに行動を開始する。それぞれの拠点からは軍用車両の車列が香港基地に向けて出ていく。
車列は群衆に見送られる。彼らは勝利の叫びをあげる。
「勝ったぞー」「出ていけー」「帰れー」
兵士たちは無言で耐える。
ケヴィンはフィクサー本部にメレンチー司令官の更迭を具申する。
「第2方面軍壊滅の中継はご覧になりましたか。」「ああ、状況は悪いようだ。」
「次は香港軍基地で起きます。今のうちにメレンチー司令官を更迭してカルフォルニア基地へ移送するべきです。」「理由はどうする。」
「指揮能力の欠如です。」「香港基地を調べて徴税の証拠を押さえることが必要だ。」
「それでは香港軍と戦闘になります。」「そのような状況ではメレンチー司令官を拘束するのは難しいのではないか。」
「急襲して身柄を抑えます。」「それは許可できない。フィクサーと軍の間に溝を作ってしまう。」
「では見ていろと言うのですか。」「まずはメレンチー司令官と交渉をするべきだ。」
ケヴィンは無線を中断する。彼は爆発しそうである。アレクシスが肩をたたいて言う。
「落ち着け。」「落ち着けるか。」
「とりあえず交渉しよう。」「分かっているがあちらは話に応じないぞ。」
ケヴィンは何度も無線で呼びかけているがメレンチー司令官は無線に応じない。
ブルーノはクラウス市長と無線で会話する。
「第2方面軍は残念なことになりました。」「君たちが軍用ヘリとガントを止めてくれたおかげで住民の虐殺は抑えられたよ。」
「このままでは香港軍基地で同じことが起きますよ。」「もう我々に止めることはできない。犠牲を少なくするようにしてくれ。」
「分かりました。」
ブルーノはセレーネとラングドックを香港基地の近くへ移動させる。




