第85話 フィクサー、ハンティング・ウルブズの参加
メレンチー司令官は、第１方面軍、第２方面軍、第４方面軍に住民の襲撃に備えるように指示を出す。
彼は、エリア３１への攻撃は、第３方面軍を襲ったテロリストを襲撃しただけで住民に危害を加えていないとマスコミに発表する。
彼の言葉に住民は怒りを積もらせる。香港市長はメレンチー司令官に電話する。
「なぜ、あのような嘘の発表をしたのかね。」「私は事実を発表しただけです。」
「エリア３１の惨状は報道されているよ。女子供まで虐殺されているではないか。」「あれはテロリストのせいです。彼らに乗せられてはいけません。」
「君はそろそろその椅子を誰かに引き継いだほうがいいようだ。」「私でなくて誰がまとめるのです。」
「自分がどのような立場にいるのかわかっていないようだ。同情するよ。」
彼は市長の言葉に怒りを覚える。
そんな中、フィクサーのレオポルドが香港軍基地に到着する。レオポルドの管制官が香港基地に無線で会話する。
「こちら、フィクサー所属のレオポルド、基地への着陸許可を願う。」「こちら香港基地、現在非常態勢中のため貴艦の着陸は認められない。」
ケヴィンが無線を代わる。
「こちらフィクサーナンバー８ケヴィン・クラッセン、これより着陸する。着艦位置を指示しろ。」「着陸は認められない。これ以上近づけば砲撃する。」
「味方を撃つ気か。」「応じられない。そのまま待機を願う。」
「メレンチーに変われ、直接話す。」「司令官は忙しい。以上。」
ケヴィンがアレクシスに言う。
「何だあれは。」「メレンチー司令官は追いつめられているのでしょう。どうしますか。」
「このままだと軍は住民とぶつかるぞ。司令官にはやめていただくしかないな。」「それが判っているから、私たちを着陸させないのでしょう。」
「しかたない。このまま待機する。基地の動きには監視を怠るな。」「はっ。」
ケヴィンは介入できる隙が出来ることを待つことにする。
ハンティング・ウルブズのセレーネとラングドックはステルススクリーンを展開して香港に近づく、今回は住民に指導者がいないため、住民には接触しない。
ブルーノは無線で香港市長に呼びかける。
「こちらハンティング・ウルブズの団長をしているブルーノです。市長との面会を望んでいます。」
すぐに返答はない。無線は当然、香港軍とフィクサーに傍受されている。
ケヴィンは怒って独り言を言う。
「あいつらまた出てきて、邪魔をするつもりか。」
１時間後、市長から面会を了承する無線が来る。
ブルーノはワルカのコックピットに同乗して市長に合いに行く。ワルカはあるビルの屋上に着陸する。
コックピットからブルーノとアウレールが降りると、市長と護衛２人が待ち構えている。アウレールはブルーノを守れるように両手に魔力を込めて、いつでも魔弾を撃てるようにする。
「ブルーノ・ハルトマンです。」「市長のクラウス・ヒューゲルです。」
「我々ハンティング・ウルブズは香港に行くように指示されてきています。」「誰の指示です。」
「分かりません。おそらく影のスポンサーでしょう。」「そうですか。ならば、軍の虐殺から住民を守ってください。」
「しかし、住民もかなり過激なようですが。」「分かっています。それでもガントや軍用ヘリが出てくれば一方的な虐殺が起こります。」
「分かりました。ガントや、軍用ヘリ、戦車は我々がかたずけましょう。」「おねがいします。」
「この争いはどうやって終わらせるのですか。」「司令官がその席を追われれば終わると思います。」
ブルーノは難しい仕事だと考える。ガントや軍用ヘリ、戦車と戦えば巻き添えをくらう住民が出てくるだろう。
