第73話 パリ軍基地の会談
ブリュノとバルトロメウスの会談は、ラングドッグのブリーフィングルームで行われる。会談にはブルーノとクルトも同席する。バルトロメウスはブリュノに言う。
「ジスラン司令官を引き渡してもらいたい。」「彼を開放するつもりですか。」
「いいや、彼はカルフォルニア基地で軍法会議にかけるつもりだ。そのために部下が基地を調査することも許可願いたい。」「何の容疑ですか。」
「軍で禁止されている徴税のことです。他にも犯罪を犯しているなら逃すつもりはありません。」「これまでフィクサーはなぜ動かなかったのですか。」
「彼は軍内部で力を持っていて手を出せなかったのだ。」「今後、パリ軍はどうなります。」
「私たちが選んだ新しい司令官が着任することなる。」「分かりました。ジスランは引き渡します。基地の調査も自由にしてください。」
「ありがとうございます。自警団はこれからどうするつもりですか。」「軍が徴税を止めれば自警団は必要なくなります。」
ブリュノは、ブルーノとクルトを見る。
「自警団は、新しいパリ軍の運営が正常ならば、ハンティング・ウルブズに加わりたいと思います。」
ブルーノとクルトは驚いて、ブルーノが言う。
「あなた方の自警団は傭兵団になってもやって行けると思います。我々に加わる必要はないと思いますが。」「私たちは力を持つ必要があります。」
「力ですか?」「はい、私たちの軍備はレーガが関わっていると思います。」
「確かにレーガが関わているでしょう。」「このままでは、私たちはレーガの駒でしかありません。」
「彼らを敵に回すのですか。」「いいえ、彼らの言いなりにならないように力をつけるのです。」
「もしかして、そのために私たちを雇ったのですか。」「住民に被害を出さないために頼ったのは本当です。しかし、その後のことを考えてハンティング・ウルブズを選びました。」
「ブリュノ団長が加わってくれれば頼もしいです。」「よろしくお願いします。」
バルトロメウスが3人に聞く。
「これは、フィクサーに匹敵する戦力を持つことになる。我々と敵対することはあるのかな。」「ハンティング・ウルブズは傭兵団ですがなんでもするわけではありません。」
「我々とは敵対しないということですか。」「住民の敵にならない限り、戦うことはないと思います。」
「それを聞いて安心しました。」
会談の後、ブリュノとバルトロメウスは基地内でマスコミに会見を開く。
「ジスラン司令官を拘束しました。」「彼はどうなりますか。」
「フィクサーの管理下に置かれ、カルフォルニア基地で軍事裁判にかけられます。」「パリ軍は解散するのですか。」
「いいえ、新しい司令官が着任することになります。」「自警団のブリュノ団長に期待を寄せられていると思われますが。」
「自警団は、新しい司令官によりパリ軍が正常になれば、解散します。」「ブリュノ団長はその後どうされますか。」
「ハンティング・ウルブズに参加します。」
マスコミがざわつく。パリの英雄が傭兵団に加わるというのだ。マスコミからは彼の才能を惜しむ声が上がるが会見はそのまま終わる。