第64話 ダルエスサラームから次の舞台へ
浮島で、デニス司令官は部下のトニーから報告を受ける。
「レーガはダルエスサラームの自警団にクリスを4機提供して、結果、自警団はダルエスサラーム軍基地を陣取り、多くの住民の犠牲が出ました。」「レーガは何を考えている。」
「彼らは、フィクサーの力をそぐためにハンティング・ウルブズをぶつけたいようです。」「ダルエスサラームに両者は現れたのか。」
「はい、形としては共闘して自警団と対決することになりました。」「レーガの予定が狂ったのか。」
「彼らは三つ巴になると考えていたようです。」「結果は情けないな。」
デニスにはレーガは頼りなく感じるが、他にフレイムランドの兵器を扱える組織はない。彼はレーガにもう少しうまく踊ってもらうことにする。
「トニー、レーガがクリスをうまく使えるように提案してやってくれ。」「どのような方法がよろしいですか。」
「ハンティング・ウルブズのようにクリスをうまく使える組織が育ってくれると良いな。」「分かりました。必要な役者を探してみます。」
トニーはデニスの前から立ち去る。
レーガではダルエスサラームの戦闘について話し合われている。
「我々は住民の被害など望んでいないぞ。」「自警団が力を手に入れたので暴走したのではないですか。」
「確かに自警団と軍の都市内で衝突する可能性を考えていましたが、被害が多すぎました。」「自警団が無差別に攻撃するとは思わなかったよ。」
「エリア29の自警団と違いましたな。団長の質の問題ではないかと思いますよ。」「確かにブルーノとか言う団長は住民の安全を考えて戦っているようだ。」
「やはり、クリスを与えるのは良く調べたほうが良いようですな。」「それより、当初の目的はどうなっている。」
「フィクサーとハンティング・ウルブズは共闘をしていますね。」「これでは、ハンティング・ウルブズを使わなかったほうが良かったぞ。」
「何か良い案はないのか。」「・・・」
「では、次の集まりの宿題としましょう。」
この時代、いくつかの都市で軍の横暴に住民が反発して自警団が作られていた。レーガは、こうした自警団の中から言うなりになる軍隊を作ろうとしていた。
それには、軍を自浄作用させるフィクサーは目障りである。軍はあくまで住民と反目してもらわなければならない。
ハンティング・ウルブズは与えた戦力をうまく使いこなしているが、レーガの思い通りに動かすには、団長のブルーノと副団長のクルトは優秀過ぎた。
レーガは、ハンティング・ウルブズは優秀過ぎて使いづらいと判断している。そのためフィクサーを削る駒として使いたいのだ。