第61話 盤上のダルエスサラーム
カルフォルニア基地のフィクサーにダルエスサラームの都市部での戦闘の情報が潜入していた調査員から報告される。
ナンバー5のバルトルト・アーリングとナンバー6のビアンカ・ヴェルナーの2人がダルエスサラーム軍の調査に着手している。
ダルエスサラーム軍には住民への横暴な振る舞いの情報があり、人身売買の噂も流れている。
バルトルトとビアンカは空中戦闘艦レオポルドの発進準備を進める。レオポルドには、彼らのマグニ2機とガント4機が搭載される。
ビアンカがバルトルトに言う。
「自警団がなぜ急に人型兵器を4機も手に入れたのかしら。」「タウンズビルの場合もある、人型兵器は、おそらくフレイムランド製のものだ。戦闘は避けたいな。」
「私たちは訓練を積んでいるわ。遅れを取ったりしないわ。」「ケヴィンのマグニは、タウンズビルで片手でつぶされているぞ。」
「ケヴィンは油断したのよ。」「マグニを片手でつぶせるか。」
「出来ないわ。性能はフレイムランド製の方が上のようね。」「そうだな。」
2人は情報からダルエスサラームに着いた頃には基地が自警団に占拠されていると考えている。
レーガはダルエスサラーム市長に対してハンティング・ウルブズを雇って事態の解決を図るように進言する。
市長はレーガにハンティング・ウルブズへ連絡を取ってもらうように依頼する。レーガはコリンナに指示を出す。
彼女はブルーノとクルトに説明する。
「今、ダルエスサラームと言う都市で自警団と軍が戦闘していて住民に被害が出ています。」「自警団は住民を守るんじゃないのか。」
「自警団はクリスを4機保有していて町中でガントと戦闘をしています。」「なんてことだ。何を考えているんだ。」
「ダルエスサラーム市長から事態を収拾するように依頼が来ています。」「軍と自警団のどちらが勝ちそうですか。」
「自警団です。おそらくダルエスサラームに到着する頃には自警団が基地を占拠しているでしょう。」「自警団と戦うのか。」
クルトが言う。
「自警団は、住民を殺しています。おそらく、武力で都市を抑えているでしょう。」「手加減はいらないな。」
「彼らは私たちとは違います。住民の敵になっていますよ。」「分かった。依頼を受けよう。」
ブルーノは事務所に団員を集める。
「ダルエスサラームへ行くことになった。相手は自警団だが。クリスを4機持っている。」
団員がざわめく。
「自警団と言っても、住民を殺している。住民の敵になり下がった連中だ。手加減はいらない。」
ブルーノはアウレールを見て言う。
「今回は、降伏勧告はいらない。殺すつもりで行け。そうしないと仲間が死ぬぞ。」「・・・はい。」
アウレールは覚悟を決める。
自警団はダルエスサラーム軍基地を占拠して都市部に戒厳令を出す。団長は市長と電話で話している。
彼は市長に自警団が軍に成り代わることを認めさせようとしている。