第44話 ジャックラビット殲滅作戦開始
タウンズビル軍基地に改造の終わつた2両の装甲車が来る。ハンティング・ウルブズの装甲車は7両になる。
ブルーノたちは、ジャックラビットの根城に向けて出発する。アウレールのワルカは、タウンズビルのエリアの端まで移動する。
7両の装甲車は、ステルススクリーンを展開して丘の上の根城に近づいていく。奇襲を成功させるために慎重に行動する。
根城には、ハーフトラック3両、戦車3両、自走砲5両とウオーカーが2機、ガントが1機置かれている。
ブルーノとクルトは、ジャックラビットの全勢力が集まっていると判断する。ハンティング・ウルブズの装甲車は同士討ちにならないように扇形に布陣する。
ジャックラビットに気づいた様子は見られない。装甲車は機銃を準備して時を待つ。団員も自動小銃や携帯ロケットランチャーで狙いを定める。
ブルーノは無線で指示を出す。
「撃てっ!」
突然、機銃掃射が始まり、軍用車両がロケット弾を受けて爆発する。ジャックラビットの野盗たちはパニックになる。
同時にワルカがジャックラビットの根城に向けて飛び出す。この中でガントはロケット弾を浴びてもびくともしない。
そして、ジャックラビットの首領も銃弾の飛び交う中をガントに向かって走る。ブルーノは首領に気づき、自動小銃で狙うが仕留めそこなう。
首領はガントのコックピットに乗り込みハッチを閉める。彼が周りを確認すると仲間が銃弾に引き裂かれて血だまりに倒れていく。彼らは反撃もできずに蹂躙されている。
ガントのセンサーで敵を探すが見つからない。首領は独り言を言う。
「不可視の装置を使っているな。だが、銃撃の位置から居場所はばれているぞ。」
彼はガントの右手に装備している機銃で敵を撃とうとする。しかし、彼は何かを感じ取り、その場から飛びのく。ガントのいた地面が高熱で熱せられたように溶けだす。
空中からアウレールがワルカのライフルでガントを狙ったのだ。
ガントは飛び上がると機銃を掃射する。ワルカは高度を上げてかわす。首領はワルカの動きに驚く。
「身軽な奴め。」
その頃、根城では、ブルーノが指揮する。
「撃ち方やめ!」
根城には、硝煙が立ち込め、ジャックラビットの車両とウオーカーが炎に包まれている。ハンティング・ウルブズの装甲車のセンサーには動くものの反応のはない。
団員が3人1組になって索敵をするが、野盗の無残な死体が転がっているだけである。全員の死亡を確認するとブルーノはアウレールに指示を出す。
「ガントのパイロットをできるだけ生きたまま捕えてくれ。」「そのつもりでやっています。」
彼は空中でガントの攻撃をかわしながら答える。