第29話 自警団の戦いの終わり
ブルーノたちがエリア29へ戻ると非難していた住民たちが戻ってくる。自警団はエリアを無傷で守ったとして英雄視される。
アウレールはワルカをカイの工場へ持っていく。カイはアウレールに言う。
「アウレール、無事に戻ってきたな。ワルカも無事だな。」「それが、右腕の関節を狙われてダメージが貯まっているらしいんだ。」
「みーていましたよ。片手でマグニをつぶしたのはよーかったですね。」
突然、おかしなしゃべり方が聞こえるので見るとメンテナンス用の足場にロアがいる。カイがロアに言う。
「師匠、どこに行っていたのですか。」「戦闘をみーに行ってました。」
アウレールはロアは神出鬼没だと思う。ワルカはカイとロアが整備してくれることになる。
アウレールは自警団の事務所に向かう。タウンズビル軍基地でアレクシスが自警団は必要なくなると言っていたのが気になる。
事務所では、ブルーノとクルトが話している。
「このまま自警団を続けるのは難しいのか。」「次に来る司令官がまともであれば、自警団は不要になります。」
「俺たちは命がけで戦ってきたんだぞ。」「自警団を維持するのはエリアにとって負担になるでしょう。
「俺たちは・・・」「傭兵団を立ち上げましょう。」
「傭兵団。」「そうです。私たちはタウンズビル軍との戦闘に勝って名を上げています。十分仕事があるでしょう。」
「傭兵団なら名前が必要だな。」「そうですね。団のカラーも必要ですね。」
ブルーノたちは、傭兵団設立に向けて話し合う。
秘密裏に都市同士で同盟を結んでいるレーガは、エリア29の人型ロボットがガント2機、マグニ1機を撃破した情報を得る。
「どうも人型はフレームシリーズのようですね。」「どうやって手に入れたのでしょう。」
「フレイムランドは100年前、すべてのフレームシリーズを引き揚げた筈です。」
「絶対はありません。現に我々の手元にもあるではないですか。」
「それは極秘事項だぞ。」「要は彼らが我々の手駒になるかです。」
「とりあえず、接触の準備をしておきましょう。」
「そうですな。フィクサーは少々目障りになっていますから。」
レーガはひそかに動き始める。
このころフレイムランドの浮島にもエリア29の情報が届く。
フレイムランドは、国のほとんどは異世界にあるが、浮島は地球側の世界にある。ただし、位相空間で遮断されている。
浮島はアースランド建国以前からフレイムランドとの物資の流通拠点になっている。しかし、アースランドも建国から100年経ち、自給率も上がり、年々流通量は減っている。
そして、浮島には地球司令官が置かれている。司令官の役目は、流通の管理と浮島にある艦船とフレームシリーズの維持管理、地球の情報収集である。
地球司令官には、デニス・オーマンが就いている。彼はシャドウズを率い、のちにフレイムランドの提督となったヴェルフ・オーマンの子孫である。
部下はエリア29についてデニスに報告する。
「自警団がタウンズビル軍と戦闘した際、フレームシリーズと思われる人型がガント2機を撃破、その後、フィクサーのマグニ1機を撃破した模様です。」
「どこからの情報ですか。」「レーガからの情報です。」
「一応、エリア29の動向を監視してください。」「はっ。」
彼は計画に支障なければ放置しておけば良いと判断する。