第181話 傭兵団フィクサーへの誘い
アレクシスとケヴィンは傭兵団フィクサーを立ち上げたがいまだに仕事の依頼はない。それでも、仕事に備えて訓練は欠かさない。
突然、巨大な船2隻が現れる。レーダーにはなんの反応もなかった。だだ突然に現れたのだ。アレクシスとケヴィンはハンティング・ウルブズの船と同じだと考える。
フィクサーは慌てて戦闘態勢に入る。アレクシスとケヴィンは指令室に行く。指令室ではオペレーターが呼びかける。
「こちらはカルフォルニア基地、貴船の用件を願いたい。」「私はトニーと申します。あなた方と交渉をしたいと思っています。」
「交渉?何の交渉だ」「私1人が降りますから、フィクサーの団長に会わせてください。」
オペレーターはアレクシスを見る。アレクシスはうなずく。
「分かった。武器は携帯するな。」「分かりました。」
大きい方の船から男が降りてくる。フィクサーの装甲車が男を迎えに行く。アレクシスとケヴィンは事務所にしているブリーフィングルームへ行く。
男は団員に案内されて事務所に入って来る。男はアレクシスを見ると笑顔で話しかける。
「私はトニー・カッターと言います。アレクシスさんに会えて光栄です。」「トニーさんは我々について詳しいようですね。」
「はい、調べています。私は浮島から来ました。」「浮島!フレイムランドが関わっているのか。」
「少し違います。私は浮島の司令官の命令で動いています。」「浮島の独断なのか。」
「そうです。間もなく軍はアースランドから消えるでしょう。」「レーガの仕業だろ。あとはレーガの独裁が待っている。」
「レーガの独裁はありません。」「傭兵団はレーガの私兵だぞ。」
「今、傭兵団は私たちと手を組み始めています。ハンティング・ウルブズの我々と手を取り合っています。」「地球をどうするつもりだ。」
「デニス司令官は傭兵団と組んでフレイムランドと戦うつもりです。」「俺たちに反逆の手伝いをさせるのか。」
「共に戦うのです。勝ったらフレイムランドから富を分けてもらいます。」「俺たちは自分たちで生活できるぞ。」
「でも、貧しいです。アースランドの未来のためですよ。」「俺たちの理解を超えているな。」
「あなたたちは仕事がないですね。私たちは、当面の資金と宇宙戦闘艦、クリスの後継機のエレクをお渡しします。」「なぜ、俺たちに・・・」
「あなた方は優秀です。我々が必要としているのですよ。」「分かった。協力しよう。」
「ありがとうございます。それではお約束の物をお渡しします。」
トニーたちは6機のエレクを輸送艦から基地に移動させ、2隻のうちの小さい方の船を引き渡す。ケヴィンがアレクシスに言う。
「いいのか、この話はやばいぞ。」「だが、俺たちに必要なものをくれるのだ。傭兵団を続けるためには仕方ないよ。」
アレクシスとケヴィンは運び込まれたエレクを見上げる。彼らはこれがあればフィクサーはハンティング・ウルブズに負けることはなかったのかと考える。