第177話 アウレール、ほむら王に会う
ほむらが部屋に戻ると電話が鳴る。ドニィーシャが電話を取ると通信室にいるサイーシャである。
「重要な話があるわ。浮島は反逆を計画しているわよ。」「本当。」
「すぐにスクルドとパイロットの子たちと会った方がいいと思うわ。」「分かりました。ほむら様に進言します。」
ドニィーシャは受話器を置くとほむらに言う。
「浮島は反逆を画策しているようです。スクルドたちにお会いになった方が良いと思います。」「反逆か、俺が今から行ってつぶしてもいいが。」
「王、自ら動くほどではありません。」「そうか、話を聞くことにしよう。」
「はっ、用意します。」
ドニィーシャは通信室に連絡する。部屋にいたアウレールたちは騎士に呼ばれる。
「ほむら王がお会いになります。謁見の間にお願いします。」「分かりました。」
彼らは騎士に連れられて謁見の間に向かう。アウレールがスクルドに言う。
「俺たち、これから王様に会うんだろ。」「そうです。」
「俺たち田舎者だからマナーとか知らないぞ。」「ほむら王は気にされないと思いますが、私に真似をしてください。」
「分かった。そうするよ。」
アウレールたちは謁見の間に入る。玉座に30歳代位の男が座り、両隣に金髪と赤毛の美女が立っている。そして、金髪の美女の隣には少女が立っている。
スクルドは部屋の中央に行くと片膝をつく。アウレールとクリスタも真似をする。男がスクルドに声をかける。
「スクルド、久ぶりだな。」「はい、100年近くになります。」
「100年て、おじさん何歳だ。」
アウレールは驚き思わず声に出す。
「元気だな。おじさんは不老不死なんだ。200年近く生きているぞ。」「すみません。失礼しました。」
「私は、仙田ほむらだ。フレイムランドの王をしている。君たちの名前を教えてくれ。」「俺はアウレール・へリングです。」「私はクリスタ・ランセルです。」
「そうか、スクルドを連れて来てくれてありがとう。途中、脱落した者はいるか。」「いません。クリスタがクリスを破壊されただけです。」
「たった、2機で来たのか。君たちは優秀だな。騎士になるつもりはないかな。」「俺たちは戻るつもりです。待っている人たちがいます。」
「残念だ。とりあえず、ドニィーシャに剣術をサイーシャに魔術を学んでいきなさい。」「すぐには帰れませんか。」
「どうせ来たんだ。ゆっくりしていきなさい。君たちの無事は私たちの方から伝えておこう。」「どうやって伝えるのですか。」
「私は空間を操ることが出来る。いつでも地球に行くことが出来るんだよ。」「では、なぜ俺たちを返してくれないのですか。」
「恩返しさ。生き残るすべを学んでもらうよ。」「はあ・・・」
アウレールはほむら王が親身になってくれているのは分かるが、生き残るすべとか言っていることは理解できない。