第170話 ホークアイ再び
ホークアイのエレクは通路の広さを最大限利用して旋回しながらアウレールに迫って来る。アウレールはホークアイの動きに集中する。
ワルカの脳波コントロール装置が動き出す。
ホークアイはアウレールのワルカにすれ違いざま刀で一閃する。しかし、アウレールは魔剣グレンデルで受け流す。すれ違う瞬間、2機の間で火花が飛び散る。
ワルカは方向転換してホークアイのエレクを追う。ホークアイは急制動をかけて止まる。アウレールは、袈裟切りにするがホークアイのエレクは少し後退してぎりぎりでそれをかわす。
ホークアイのエレクも脳波コントロールが作動していた。
彼は袈裟切りをかわすと同時にワルカの頭に向けて突きを繰り出す。アウレールもワルカの頭を傾けるだけで突きをかわす。ワルカはホークアイの後ろを取ろうとする。
ホークアイのエレクはワルカと体を入れ替える形で向き直る。ワルカが胸部の機銃を掃射する。ホークアイは叫ぶ。
「剣での戦いだろうが何をする。」
彼は叫んでから気づく、ワルカが狙ったのは自分ではなく、クリスを取り囲むエレクだった。エレクの主推進器に機銃の弾丸が集中する。エレクはバランスを崩して隙を作る。
ホークアイはやられたと思うと同時に自分に集中していないことに怒りが湧き上がる。
アウレールは自分の戦いだけでなく、クリスタの戦いも注視している。彼は上段からホークアイのエレクに切り込む。ホークアイは刀で受け止めると言う。
「貴様、よそ見をするな。俺を見ろ!」「俺たちは2人で戦っているんです。」
「なめたことを・・・」「倒しますよ。全力で・・・」
ワルカはエレクを剣を交えたまま弾き飛ばすと突きをコックピットを狙って繰り出す。ホークアイは左を前に出して盾で刀を受ける。しかし、魔剣グレンデルは止まらない。
盾を貫き、エルクの左肩に刺さる。ホークアイはそのままの姿勢でワルカを上段から切りつける。ワルカの魔剣グレンデルはエレクの左肩に刺さったままである。
剣を使えないアウレールは、盾を突き上げる。盾はエレクの右手に当たり刀を弾き飛ばす。エレクは後退して左肩の魔剣グレンデルを抜くとはじかれた刀を追って上昇する。
ホークアイが刀を手にしたとき、ワルカはエレクを一閃する。