第15話 ロア博士、現れる
ワルカは、カイの所でメンテナンスされている。アウレールは授業後、カイの所へ行く。
彼はワルカを起動させ、カイの言う通りモニターに状態を表示させチェックしていく。突然、声が響く。
「いーけませんねー、美しくありません。」
アウレールがコックピットを開け外を見るとワルカの肩の上に男が立っている。
男は眼鏡をかけ、白衣に茶色のスラックスで身長は180センチ位で痩せている。
突然現れるだけで怪しいが格好も怪しい。
男はワルカの肩から飛び降りるとカイのいるメンテナンス用の足場に着地する。
足場はコックピットの前にあるため、アウレールは男と目が合う。
「誰だあんたは?」「き~み、昨日このワルカで戦っていましたね。」
「ああ、そうだ。」「いーけません。金属の塊で戦うなどワルカの品を貶めます。せめてライフルを使いなさい。」
「ライフルが壊れているんだ。」「なーおーせば良いですよ。」
「カイには直せないんだ。」「そのなーさけないのは、あなたですか。」
男は隣にいるカイに話しかける。
「情けなくて悪かったな。」「わーかりました。なーさけないあなたをまーともにしてみましょう。」
「あんたに言われたくないよ。」「さー、ライフルを直しますよ。」
男はカイを連れて行く。アウレールは男に名前を聞く。
「お前、名前はなんだ。」「わしはロア、ロア博士と呼びなさい。」
「ロアは、カイの目の前でライフルを直していく壊れた部品は、ロアが空間に手を入れて取り出す。
ライフルは1時間もかからず治る。カイは感動してロアに言う。
「すげえ、これから師匠と呼ばせてくれ。」「師匠ですか。エークセレントな呼び方です。褒美に予備のパーツをあげましょう。」
アウレールは、ワルカの右手でライフルを手に取るとシンクロしてパスが表示される。
ロアは次に盾に取り掛かる。彼は盾について機能美どうとかしゃべり続けながら盾を修理していく。
そして夕方になる前に盾の修理が終わる。アウレールは盾が機能するかチェックする。
ワルカに装備すると盾とシンクロして10項目すべてがパスを表示する。
盾にはビームバルカン砲と防御スクリーンの他、ワルカのモーターを動かすジェネレーターの余剰エネルギーをため込み、エネルギーパックを充電したり、SPA砲にエネルギーを供給したりする機能があるとわかる。
そして、カイとロアは意気投合する。アウレールは付き合いきれず2人をおいて家に帰る。
翌日、アウレールは授業が終わるとカイの所へ行く。ロア博士の奇人ぶりにワルカのことが心配だったのだ。
そして、ワルカを見ると目を疑う装甲が外され、いたるところから電気ケーブルが出て見たこともない機械に繋がれていた。