第137話 激発
艦橋から報告が上がる。
「砲撃されました。戦車です。」「見張りはどうした。防御スクリーン展開。」「了解。」
台北軍の兵たちの我慢は限界に達していた。彼らは命令ではなく、自らの意思で戦いを決める。最初の兵が戦車に乗り込む、すると仲間が付いて来る。
戦車はセレーネを砲撃する。2射目は防御スクリーンに阻まれる。しかし、この砲撃で台北軍の兵たちが走り出す。
あるものはロケット砲でクリスを狙う。クリスは盾でロケット砲を受ける。エリクが指示を出す。
「兵たちを兵器に近づけさせるな。動き出した兵器は撃破だ。」「了解。」
アウレールの手が震える。生身の人間が向かってきているのである。それはクリスタたちにとっても同様である。
ワルカとクリスのパイロットの戸惑いが貴重な時間を浪費する。兵たちが、軍用ヘリにガントに乗り込む。
セレーネとラングドックが防御スクリーンを展開したまま浮上する。エリクが指示を出す。
「上空から攻撃する。」「了解。」
ワルカとクリスは浮上しながらライフルを撃ち、軍用車両を破壊していく。軍用ヘリ15機とガント6機が浮上してワルカとクリスに向かってくる。
アウレールは気持ちを落ち着かせるとワルカのコントロールに集中する。ガントが2機向かってくる。ワルカは急上昇して上からガントを狙撃する。
ガントは背中にビームを受けて高熱の激流がコックピットを溶かす。ガントはそのまま爆発する。もう1機がワルカの後ろに回り込もうとするがワルカの方が早い。
ワルカは振り向きざまにライフルを撃つとガントの盾を貫きコックピットに命中する。ガントは基地へ落ちていく。
クリスタにもガントが2機迫って来る。クリスタはライフルを撃つがかわされる。ガントはクリスタを挟み撃ちにしようとする。
後からガントが機関砲を撃ちながらクリスタに迫る。クリスタは砲弾をかわしながら振り返り盾をガントにぶつける。ガントは頭部から右肩までをえぐられて落ちていく。
残りの1機がクリスタの後ろから機関砲で狙うが、クリスタは後ろに目があるようにかわして振り返りライフルを撃つ。
ライフルのビームはコックピットを焼きガントを爆発させる。
エリク、レオン、デニスは15機の軍用ヘリに向かう。軍用ヘリはロケット砲を撃つが彼らはかわしながらかわせないものは盾で防ぐ。彼らはライフルで軍用ヘリを撃ち数を減らしていく。
すると1機が街の方へ逃げ出す。いや、逃げ出したのではなかった。ヘリのパイロットは市役所を目指している。目標は市長の命だ。
エリクは、残りをレオンとデニスに任せて、軍用ヘリを追う。エリクはヘリをライフルで撃つ。ヘリは爆発して、破片は街に振り注ぐ。
ハンティング・ウルブズと台北軍の戦闘はとうとう住民に犠牲者を出してしまう。