第116話 リオジャネイロの市長
アンコーナとメッシーナは、ロサンゼルスの軍本部に近づくと9機のガントと9機の軍用ヘリに囲まれる。
「貴艦らは軍本部に接近しすぎている。目的を伝えよ。」「こちらカリオンのアンコーナとハウンドのメッシーナ、リオジャネイロの兵士を乗せている誘導願いたい。」
「了解、前方のガントの後に続け、不審な動きを見せたら撃墜する。」「了解。誘導に従う。」
アンコーナとメッシーナは、ガントに従って軍本部の敷地に降りる。着陸したアンコーナとメッシーナに装甲車5両が駆け付けて、兵士が降りて取り囲む。
イーヴォ団長が兵士たちに呼びかける。
「今からリオジャネイロの兵を開放する。空中戦闘艦にはこれ以上近づかないでいただきたい。」「了解した。」
リーダーらしい兵が答える。アンコーナとメッシーナは格納庫を開いて保護していた兵を開放する。
兵がすべて降りると格納庫を閉じる。イーヴォ団長は軍本部の管制に通信する。
「兵を開放した。立ち去りたいので包囲している兵士を下がらせてほしい。」「しばらく待て。貴艦に聞きたいことがある。」
「何でしょう。」「今回君たちを雇ったのは誰だ。」
「答えられません。」「貴艦らにはリオジャネイロ軍を攻撃した事実がある。」
イーヴォ団長はカルロ団長に言う。
「このまま逃げましょう。」「分かった。」
アンコーナとメッシーナは発進する。包囲していた兵が慌てて下がる。ガントと軍用ヘリに動きはない。
追撃の恐れはなくなったがアンコーナとメッシーナはそのまま逃げていく。
リオジャネイロでは、軍がいなくなり住民の不満の矛先はトラヴィス市長に向く。住民が市の庁舎を取り囲む。住民の中には軍の拠点から持ち出してきた自動小銃を持つ者もいる。
トラヴィス市長は車で逃走を図る。市長の車が群衆の中を通り抜けようとする時、誰かが自動小銃を乱射する。市長の車はハチの巣になり、市長と運転手は命を落とす。
市長の暗殺にリオジャネイロはまとめる者がいなくなり混乱する。そんな中、エーミール・ヘルトリングと言う人物が声を上げる。
今、リオジャネイロには市長も軍もいません。今こそ住民のための市政を取り戻しましょう。」
彼は街の各地で演説して名を広めると各エリアを訪問し始める。そして市は新たな市長を選ぶため選挙管理委員会を立ち上げる。
市長には多くの者が名乗りを上げる。その中にはエーミール・ヘルトリングもいる。
選挙が開始されるとエーミールは組織的に動き住民の好感度を上げて、選挙に2位に大差をつけて当選する。
エーミール市長が誕生する。