第101話 エイミーの恐怖心
エイミーは、コンサートを成功させようと練習に打ち込む。彼女が練習に打ち込むのは成功させるためだけではない。
彼女への脅迫のことを歌い踊ることで忘れようとする。彼女は今、コンサートの舞台に上がることが怖い。
休憩時間、アウレールはエイミーに言う。
「こんなに激しい練習をしていたら本番が持たないんじゃないか。」「あんたに何が判るの。しっかり護衛をしなさいよ。」
「大丈夫だよ。俺がついているから、無事にコンサートは終わるよ。」「大した自信ね。試してあげるわ。」
エイミーは自分のボディガードをアウレールにけしかける。
「この子に現実を教えてあげて。」「しかし、まだ子供ですよ。」
「私からボーナスを出すわよ。」「仕方ないか。ちょっとだけですよ。」
ボディガードがアウレールに言う。
「坊主、悪く思わないでくれ、ちょっ痛いだけだからすぐ済むよ。」「俺も殺さないように手加減してあげますよ。」
アウレールの言葉にボディガードが殴り掛かる。アウレールは余裕でかわす。普段の訓練に比べたらボディガードの動きはなっていなかった。
彼は、ボディガードに素早く距離を詰めるとボディにジャブを一発入れる。軽く打ったように見えるが、彼はパンチに魔力を乗せていた。
ボディガードはそのまま倒れて動けなくなる。アウレールはエイミーに言う。
「俺が力不足だと思いますか。」「ただの偶然でしょ。」
彼女は言い返すが内心は驚いている。そして、彼なら守ってくれるのではないかと希望が見えてくる。
それからエイミーは練習に集中できるようになる。アウレールが見ていると恐怖心が和らぐのだ。
コンサートの2日前、クリスタとリリアーヌはエイミーと一緒に練習を始める。
2人は急にメンバーに加わった割には様になった動きをする。彼女らは日ごろの訓練のおかげで体力、体幹とも鍛えられていたことが幸いしている。
エイミーの関係者が言う。
「彼女たち良いですね。ルックスもいいし、ちゃんと動けている。このままメンバーに欲しいな。」
2人は関係者の思惑を知らず、本番に向けて必死に練習について行く。