アルビオンへ戻ったメアリー
戻ってきたメアリー。その日帰ってきたお祝いとして有力は前日のスーパーの閉店間際に真理が買った半額の見切り品のアジフライが出てきた。
「今日はたんぱくなお魚よ」。半額のカット野菜の千切りキャベツも添えて真理は振舞ってくれた。
「白米とアジフライは美味いな真理」
メアリーは笑みを浮かべる。
「あの真理、言っておきたいことがあるんだけど」
「なに」
「実はわたしは、あるキノコを食べて、この世界の東京へ来たんだ。たぶん時間が経ったら、わたしはまた真理の前からいなくなる。でも、またあのキノコを食べたら戻って来れると思うけど、訳の分からないキノコを食べて異世界へ往復するのは怖くて・・・、本当にとてもとても真理に会いたいとき以外は食べないでおこうと思うんだけど」
「メアリー、そんなに危険を冒さなくていいんじゃない。メアリーが帰ってきたらまた迎えるから、気にしない!気にしない!」
「真理!」
メアリーは涙を浮かべて真理に抱きつく。
それから、数日は前と同じような東京生活と貧乏飯ライフを送っていたのだが、メアリー気が付くといなくなっていた。
「メアリー帰っちゃったんだ。また来てくれるかな」
そして、メアリーはアルビオンに戻っていた。
メアリーの父は家族のとの食事の席である話をした。「前の食事に出ていた、あの変なキノコ。それも変な言い伝えがあってな。食べると変なことが起こる。確か、訳の分からない世界に一時期的に行く幻覚を見るということだ」
「や、やっぱり」
「実は・・」メアリーは東京に転移した話や生活を話し始めた。
「なんか、信じられないが・・、こんなことがあったとこの集落の長に話してもいいか?」
「ええ」
ある日、長がメアリーに会いたいと言ってきた。メアリーは長に会いに行く。
「メアリー嬢、来てくれてありがとうございます。お父上から聞いた話ですが?」
「信じてもらわなくてもいいんです。でも確かにあのトーキョーの日々はあった。」
「わしも信じられなかったが、あなたの話が空想にしてはよくできている。確かにキノコを食べて別の世界に行った人がいるという伝説があるし、わしは信じるよ。」
「あのキノコを食べて、トーキョーに飛びましょうか?」
「やめておいたほうがいい。またアルビオンに戻れるか不安だし、あのキノコは毒があって食べすぎると毒にやられてしまう。少量だったら大丈夫だが」
「そう、ですか?」
そして、さらに1・2月後に、とある魔導士がメアリー宅に尋ねてくる。
「ライスさんのお宅はここでしょうか?」
メアリーの父が応対する「そうですか」
「こんにちは、わたしは魔術師のアンナ・イーストンと申します。ここのお嬢さんがキノコを食べて、別の世界へ音連れたという風の噂を聞いて、やっとここへ訪れました。」
どうやら長が世間話にでも話したことが口伝へこの魔導士に伝わってしまったらしい。
「そ、そうですか?あなたは信じられるのですか?」
「はい、わたしは魔術の研究をしていまして、ずっと異世界に渡っていける人・女性がいるという文献があり、それに興味を持って研究してきました。今回実際にそんな女性がおられると聴いて、遠方から来た所存です。」
「そう、そうですか?」
「ぜび、お嬢さんから、お嬢さんが訪れた世界について質問や体験を聴かせていただきたいんですけど。」
メアリーの父は直感的に悪い人間ではないことを悟り、メアリーに魔導士のアンナを会わせた。
「お嬢さん、こんにちは。お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
「わたしはメアリー、メアリー・ライス」
「あの、メアリーさんがキノコ、正式にはトランファーマッシュルームを食べられて、別の世界へ渡航されたといううわさ話を聞いたんですけど。」
「あのキノコに名前があるんですか!」
「はい、あのキノコを食べて、異世界へ渡航できるいうとても珍しい伝説の体質のいるという文献を見ました。これがその本です。」
アンナがメアリーに見せた古そうな本には確かに、メアリーが食べたキノコの押絵ともに「怪異、此茸を食べし者、此処ならず世界へ渡れること可なり」と書いてあった。
「でも信じられないかもしれないですけど、本当のことです。アルビオンの人たちと違う人種、文化、なによりも巧みな技術が発展していて、暮らしてみると色々ありましたが楽園のように感じました。特に、東京という私が行った世界で、わたしの世話をしてくれた真理という女性にはいろいろお世話になり、衣食住を提供してもらいました。彼女は貧民だということでしたが、立派な服を着て、と・特に食事が・・・」
「食事がどうしたのですか?」
「いや、肉などはあまり食べられなかったのですが、彼女曰く安いモノしか買っていないという割にはとても美味しくて、彼女曰く、いかにうまいものを作るか研究開発が盛んの様で、あの安価でおいしい食べ物が食べれるそうです。」
すると、アンナが
「わたし、実はその食べ物のほうがとても興味あるんですぅ。」
アンナは人が変わったように話した。
「そ、そうですか」
メアリーは驚く。
そして、アンナは詳しく・何日も通って時間をかけて話を聴きに来た。
その世界では、食品にはプラスティックという袋や皮、殻があることや、魔法に近い調味料があり、食料の保存技術がすごいなど、などを話した。
毎回、アンナはライス邸を訪れてメアリーの話を聴くと子供のように興味深く話を聞いた。
そして、ある日アンナは訪れて
「だいぶ話を聞かせてもらいました。実はこれが一番頼みたかった。けど、今生きているこの世で誰も体験していないことをやってほしいとなかなか言えず・・・」
「なんですか」
「じつはこの石なんですが・・」
「緑色ですね」
「テレポートグリーンストーン、俗称テレポートグリーンという石です。それを加工してペンダントにしたものです。」
アンナは石のペンダントを取り出す。
「キノコを食べて異世界へ飛べる人が、この石のペンダントを握って呪文を念ずると、本人と手に握ったものを現世と異世界で行き来できるという言い伝えがあるのですが・・」
「つまり、わたしにこの石のペンダントを使って東京に戻ってほしいと」
「わたし、異世界の食べ物が食べてみたいんです。こう見てもグルメ家で、ぜび真理さんや異世界の食べ物を持ち帰ってほしいんです。社会のためには東京の技術や制度を学んでいったり、記録を残すが重要だと思いますが、個の感情として異世界のモノが食べたい!ということです。」
「わかりました。」
「いいんですか。」
「また、真理に会いたいし、キノコを食べずにまた東京へ行けるのならば」
じゃあ、さっそくはじめましょう。
メアリーは実際にこの石が使えるとは信じておらず、さっそく要望に応じた。
「で、なんと言えばいいんです。」
「ラミラミエッサーム・ラミラミエッサーム・ラミラミエッサーム」と3回唱えるといいと本に書いてありました。
「では、さっそく」ちょっとメアリーは緊張しながら呪文を唱える。
「ラミラミエッサーム・ラミラミエッサーム・ラミラミエッサーム」
メアリーが気づくと東京の真理の部屋にいた。
「あの石は本当だったんだ。」
「メアリーおかえり」真理は笑顔で私を迎えてくれた。
「食事の時間なんだけど食べる?」
「う、うん」
今日は、鯖缶を使って白菜を似た「”鯖缶と白菜を炊いたん”よ」
「へんな、名前だな」
「ちょっと関西風入っている」
そして食べてみる。
「正直、鯖缶の鯖の身の味が落ちてしまっているが、鯖缶の汁が白菜にしみて美味しい。」
こうして、アルビオンと東京、安全に往復する手段を見つけた。この後はアンナさんのために東京の食べ物を持って帰らなくては。