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孤独な2人は恋に落ちる  作者: 蒼凰
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少女の過去

普通であればお妃教育が施されるが少女の記憶力がものすごく良く、お妃教育で習う以上を知っていたので全てパスすることとなった。代わりに皇子と一緒にいろと、仲を深めろと。少女は一瞬本当に嫌そうな顔をしたがすぐに人好きのする顔で「はい」と笑った。


「で、私はこの書類を昼までに片付けなければならないと」


少女が皇子の元を訪れれば惚けて何もしていない皇子とその護衛騎士がいた。護衛騎士はとてつもなく困った顔で少女を見た。


「はい、昨日からこの調子で全然働いてくれないのですよ。困りました」


「つまり、これを仕事をするように仕向ければ良いんですね?」


しれっと皇子をこれ扱いしていたが護衛騎士はそこには突っ込まずに頷いた。


「出来るんですか」


「出来ますよ」


そう言って皇子の耳元で囁く。


「この仕事を終わらせたら明日市井に一緒に出かけますか」


宙をぼんやり見つめていた皇子は目を大きく見開いて「本当か!?」と食らいついた。


「はい、約束は違えませんよ」


「ならば!」


そして、明日の分まで仕事を終えた皇子であった。


ーーー


少女を引き取った公爵はとても辛い夢を見ていた。友人であった伯爵とその妻、そしてこの子供と一緒に馬車で遠出に行っていた時。

狭い峡谷で山賊に襲われた。剣の腕に多少覚えがあった公爵はか弱い子供を腕に抱いて腰に下げていた剣で山賊を斬りながらなんとか馬車を出た。伯爵夫妻は子供をなんとか逃してくれ、頑張って山賊を切り抜けるから、と言って公爵に遠回しに「見捨てろ、君は生き残れ」と言った。

公爵は躊躇ったが友人の懇願に渋々頷いた。

峡谷から一番近い町に着いたときにはホッとした。そして、腕の子供が母の乳を求めて激しく泣いているのを見た。母にはなれない公爵は金を出してその町の孤児院に子供を預けた。孤児院の院長は公爵の願いを快く受け入れた。そして、その一週間後峡谷を通った騎士団が血塗れになった伯爵夫妻の遺体を発見した。


それから十年が経ち、子供は少女になった。少女は剣に惹かれて孤児院の箒でいつも遊んでいた。孤児院の子供たち、職員、院長はとても良い人でちょっとおかしな少女を暖かく包み、仲良く暮らしていた。しかし、その平穏も壊される。

伯爵夫妻を襲った山賊が町まで来て町を燃やしたのだ。女子供も殺してまわり、体付きの良い女だけは残して自分たちの欲の捌け口にした。

孤児院にもその手は及び、少女は殺されそうになる。孤児院に火が放たれ、少女は顔の半分を火に焼かれた。顔を焼かれて苦しむ少女に山賊は止めを刺そうとする。その時、箒を手にしていた少女は箒で山賊の股間を叩き上げて町から命からがら逃げ、王都に走った。

全身血まみれに少女は王都に着く前の森の中で失神し、次に気づけばちょっと怖そうなお爺さんに抱っこされていた。

お爺さんは元凄腕の暗殺者だった。気が向いて少女を助け、気が向いて暗殺のテクニックを教え込んだ。


そして、皇子を追い回す少女を見た公爵はその顔立ちに無性に懐かしさを覚えて少女に仕事を依頼した貴族を見つけ出してその少女とコンタクトをとる方法を吐かせた。

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