表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/27

古代竜とヨシダハナコ


 ダンジョン地下11階層。



 伝説の剣士、ネルソン・オリバーのパーティーは最速でダンジョンの最深部まで辿り着こうとしていた。



「どうやらこの下の12階層が最終ステージのようですね、ネルソンさん。」



「そのようだなカーティス。おそらく今までに無く厳しい戦いになりそうだ。」



 剣士ネルソンの仲間の4人は歴戦の猛者ばかりで、全員が「冒険者ランクS」を取得しているという、とんでもない先鋭揃いのパーティーだった。



「よし!12階層へ行くぞっ!!」



 ネルソンが号令をかけると、メンバー全員から階層に響き渡るくらいの勇ましい応答が返ってきた。



 11階層から12階層へと続く階段は、今までのそれとは比べ物にならない程に大きく、ネルソンのパーティー5人が横一列に並んで同時に降りていける程であった。



 12階層は巨大な広さを持つ鍾乳洞で、つららの様な特大の突起物が天井からいくつも垂れ下がっている。ダンジョンとは思えぬ程の広さがそこにはあった。



―――すると、その場にいた全員の心に直接訴えかける、おぞましい声が聞こえた。



「無知にして無力、神が与えたもうたこの地に何の用だ、愚かな人間供よ。」



 12階層の奥で一際大きな岩石の様な物が動き出したかと思うと、岩石に見えた物は巨大生物となりネルソン達のはるか頭上に巨大な翼を広げた。



「な、なにいいいいーっ!!ド、ド、ドラゴンだとおおおっ!?」



「そ、それもただのドラゴンじゃないぞ!」



古代竜エイシェント・ドラゴンかっ!!」



 剣士ネルソンは動じずに背中のバスタードソードを引き抜き、息を大きく吸い込み叫んだ。



「行くぞ!ドラゴン!!」






◇◆◇◆




―――どれくらいの時がたったろうか。



 剣士ネルソンが後ろを振り向くと、地面に横たわっている瀕死の仲間達の姿があった。



 ネルソンも肩で激しい息をしており、すでに満身創痍まんしんそういの状態であった。これまで激闘を制してきた彼のバスタードソードも半分から上を失い、彼のフルプレートメイルにはいくつもの大きなひびが入っていた。



「・・・ここまでか。」



「愚かなり人間よ。自分の無力さに気が付いたか?ここで全員死ぬがいい。」



 古代竜がネルソン達にとどめを刺そうと、その口から炎を吐き出そうとしたその時だった。



 突然12階層の天井が激しく揺れて大きなひびが入り、やがてそれは爆音と供に大崩壊してしまった。



 すると天井から、古代竜よりも巨大な体を持った、邪悪にして獰猛なおぞましい「魔人」が飛び降りてきたのだった。その邪悪な瞳は目の前の獲物を早く惨殺したいと言わんばかりであった。



「魔人ヨシダ ハナコ参上っ!!」


古代竜は自身の巨体を上回る魔人の姿を見て、一瞬言葉を失った。それもそのはず古代竜は数百年という長い年月、自分よりも大きな生物を一度も見た事が無かったからだ。

 


「・・・な、何者だ? 魔人なのか!? む、無知にして無力な魔人よ! 神が与えたもうたこの地に何のようだ!?」


 

 魔人ヨシダ ハナコは、古代竜の質問には耳を貸さずに、その首根っこを左手で力強く掴むと強烈な往復ビンタをくれてやった。




 バチコーンっ!! 



「グギャああああああああああああああーっ!!」




 バチコーンっ!! 


「グギャああああああああああああああーっ!!」




 断末魔と供に古代竜の首はもげて、死んでしまったのだった。




評価、ブクマ、本当にありがとうございます!!


イラストが得意な方、ぜひ「魔人ヨシダハナコ」の絵を描いてくださいw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ