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玉座の攻防


「・・・・・・な、何だと!バートンが討ち取られたと申すのかっ!?」


「はいっ!!ディクソン率いる近衛騎士団が人質を奪い返し、反旗をひるがえしたとの事です!バートン様はディクソンに討ち取られましたっ!!」


「クソがっ!あのバカは何をやっておるのだーっ!最後まで使えん奴だ!!」


 王宮内、王謁見の大広間には、宰相シュナイゼルが鬼の形相で怒りに震えていた。


「ええいっ!残りの魔獣軍団をこの広間に集めろ!そして人質の王族達も連れて来るのだ!何としても王座は死守せよっ!!いいなっ!?」


「ははっ!!」


 シュナイゼルの命令に従い、大勢の兵士が大声を上げながら慌しく走り回り、その騒音が鳴り響いた。 

 しかし、しばらくすると兵士の足音や声がまったく聞こえなくなり、不気味なほどに大広間は静けさに包まれる。


「・・・・・・何だ!?急に静かになったぞ!どうなっておる!?」


 不審に思ったシュナイゼルが王座を立ち上がったその時だった。

 大広間の入口のドアが勢い良く開かれ、王国近衛騎士団の精鋭部隊がなだれ込んで来たのだった。


「シュナイゼルーっ!君主を裏切った極悪人めがっ!!大人しくその首を差し出すがいいっ!!」


 王国騎士団、副団長のディクソンが大剣を引き抜き、玉座のシュナイゼルに詰め寄った。


「ディ、ディクソン!!もうここまで辿り着いたというのかっ!どいつもこいつも役に立たないクズどもめっ!!魔獣どもよ、こいつらを殲滅せんめつせよ!!」


 シュナイゼルの命令により、玉座を守っていた2頭のキングミノタウロスが戦闘斧を大きく振り上げ、ディクソンら精鋭部隊に襲いかかる。


「この程度の魔獣で私が抑えられると思ったか!シュナイゼル!!」


 ディクソンはあっと言う間に、大剣で1頭のキングミノタウロスを一刀両断する。そしてすぐさま、2頭目のキングミノタウロスも両断しようと大剣を振り抜く。


 ところが、ディクソンの剣は2匹目のキングミノタウロスの体に跳ね返され、戦闘斧で反撃を食らってしまったのだった。


 間一髪、ディクソンは剣で身を守ったが、その剣さえも弾き飛ばされ、彼の体は後方に大きく飛ばされたのだった。


「ディ、ディクソン様あああーっ!!」

「ぐっ!・・・・・・あ、あの魔獣は危険だっ!注意しろ!!」

「おのれ、よくもディクソン様を・・・・・・!!」


 すぐに精鋭部隊が束になって魔獣に攻め込むが、魔獣の強固な皮膚に剣は通らず、その怪力から繰り出される戦闘斧の攻撃により、彼らは全員致命傷を負ってしまったのだった。


「グハハハハハハーっ!!どうだ!いにしえの強力な呪術で生まれ変わった魔獣は!?お前らのような下等な人間にはどうする事も出来まい!!」


「お、おのれシュナイゼル・・・・・・!」


「さあ魔獣よ!この地上の支配者となる王に無礼を働いた愚か者達を、皆殺しにするのだっ!!」


「ブンモオオオオオオオーっ!!」



――――魔獣が戦闘斧を振り上げたその時だった。


 大広間の壁という壁が粉々に破壊され、そこに現れた巨人の大きな手が魔獣とシュナイゼルを鷲づかみにしてしまったのだ。


「ひ、ひ、ひいいいいいいいーっ!!な、な、何だ、何なのだああああーっ!!」



 大広間の壁が崩れ落ちたその空間に、巨人の大きな目が現れ、ギョロリとシュナイゼルを睨むとその口は静かに開かれた。


「ヨシダ・キャサリン参上!!」




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