表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/27

帰って来た魔人


 ヨシダは内通者であるゲルグの手下達を守ったコマリに、ワンワンビスケットを与えていた。


 そしてヨシダの元に助けられたゲルグの手下、ザックとグーフが駆け寄って来る。


「ヨシダの旦那!おかげで助かりました!」


「いやいや、こっちこそ城門を開けてくれてありがとな!おめー達にも何かお礼しないとなあ。」


「何言ってるんです、命の恩人に報いるのは当然ですよ!まあでも、あの日森の中で食わせてもらったキノコ汁がまた食いたいですねえ。俺達はあんなに親切にされた事なかったから、大泣きしながら食いましたからね!」


「はは!あんなので良かったらいつでも食わせるだよ!」


「旦那、そいつは嬉しいですね!ここから生きて帰れたら、キノコ汁で祝杯を上げましょう!」



――――ヨシダ達が嬉しそうに話しているその時だった。


 彼らが巨大な影に気が付いて後を振り向くと、30メートルを超える魔人がそびえ立ち、ヨシダ達を今にも踏み潰そうとしていた。


 しかし、2匹のキングオーク、キャサリンとサブリナが瞬時に魔人の巨大な足を受け止め、ヨシダ達を守った。


「こりゃっ!油断するでない!戦いはここからじゃぞっ!!」


「も、申し訳ねえだ、じーちゃん!」


 ヨシダとザック、グーフの3人は何とか魔人の攻撃から逃れ、2匹のキングオークも魔人の踏み付けをどうにかかわして、再び戦闘態勢に入った。



「グフフフフ、グハハハハハアアーっ!!今度の魔神化はこの間のとは次元が違うぞおおおおーっ!!うおらあああああーっ!」


 魔人となったゲルグは、たった一撃で王宮の城壁を木端微塵に破壊してしまったのだった。その後も王城の至る所を破壊しまくる魔人ゲルグ。


「ひ、ひいいいいいいーっ!!た、助けてくれえええええ!!」


「ゲルグ様、お、お止めくだせえー!みんな死んじまう!!」


 大量の瓦礫が辺り一面に降り注ぎ、ゲルグの手下達の殆どは瓦礫の下敷きになり死んでしまった。


「クソがああっ!みんな俺様を裏切りやがってっ!みんなぶっ殺してやる!軟弱な下等生物めがあああーっ!!」


 ヨシダ達にも大きな瓦礫がいくつも飛んで来たが、魔獣キングコボルトとなったコマリが飛び蹴りを連発し、全ての瓦礫は破壊されていたのだった。


「ヨシダ君よ、今こそその時じゃ!!」


「よし、分かっただ、じーちゃん!······キャサリン行くぞ!」


「ブヒブヒ!!」


 ヨシダールの声掛けに反応したヨシダは、キングオークに変身しているキャサリンを呼び寄せる。


 そして2人はお互いの手の平を合わせ見つめ合った。


 辺り一面に激しい光が放たれ、2人は融合してどんどんその姿を巨大化させて行く。


「な、な、なんだとおおおおおーっ!!ハナ子じゃなくとも魔神化出来るというのかあああーっ!?」


 魔人ゲルグは自分の背丈の倍以上はある、巨大過ぎる魔人を見上げて最後には絶句したのだった。



「ヨシダ・キャサリン、ここに参上!!」


 魔人ヨシダ・キャサリン。その全長は70メートルを超え、体重は550トン。


 両腕には無数の太い血管が浮き出て、激し過ぎる血流の為にいくつもの血管がプスプスと切れては流血しているが、魔人の自然治癒能力が働き血管はすぐに元通りに再生される。


 切れては再生、また切れては再生。まさにエンドレス。


 そしてその頭からは29本ものおぞましい角が生えて空高くそびえ立っている。さらにその顔は凶悪を極め、「いっそこの地上全てを破壊し尽くしてやろうか」と言わんばかりであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ